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「衰えの兆候は見えず」3つのデータから考える、黒田博樹の2015年【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、3つのデータから黒田の2015年を占ってみた。

2015/02/22

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199勝で引退するかもしれない

 キャンプ後半の話題は黒田博樹が独占しそうだ。18日に広島のキャンプに合流、以後、大報道陣を引き連れて練習に励んでいる。
 40歳という年齢、7年のブランク、不安要素はある。黒田自身も「199勝で引退するかもしれませんし」と言っている。黒田博樹はどれくらいやるのだろうか。3つのデータから考えてみた。
 
1 登板間隔
 NPBの先発ローテーションは6人で組む。MLBは5人でまわす。NPBとMLBでは登板間隔が1日違う。たった1日でも、先発投手にとっては大きな違いだ。黒田がMLBに挑戦する前の2年間と、MLBでの7年間の先発投手としての記録を見てみよう。
 
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 注目すべきは登板間隔だ。
 実際にはNPBもMLBもシーズン中に雨で試合が流れる日や、オールスター休みなどの空白日がある。平均すればNPBの登板間隔は6~7日、MLBは5~6日になる。
 黒田はMLBに挑戦して2年、ローテーションに適応できず、故障で長期離脱することもあった。しかし3年目以降は、MLBのローテーションを完全に守ってきた。
 
 球数にも注目してもらいたい。NPBではシーズン3000球以上投げる投手はほんの一握りだ。MLBでは3000球投げて一人前の先発投手だ。黒田は3年目以降ローテーションを守りながら、5年連続で3000球以上投げ続けた。監督にとってこれほどありがたい投手はいない。
 
 NPBに復帰すれば、登板間隔は1日長くなる。その結果、MLBの時と調整法は大きく変わると思われる。ノースロー調整、軽い投げ込みなど、これまでのメニューを再構築していくことになる。中6日に再び体を早く適応させられるか。
 ちなみに1登板あたりの投球数は100球前後。これはNPB、MLBともに変わらない。
 しかし、1回あたりの球数は約1個増えている。強力なMLB打線に対し、慎重に投げていたことがわかる。

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