キャンプで実感 今年のセリーグは広島を中心に回る【小宮山悟の眼】
2月1日、プロ野球のキャンプインにあわせて、久米島以外の11球団のキャンプ地を訪れた小宮山氏。今月のコラムは、キャンプで印象に残ったチームをセパ両リーグから1チームあげてみた。まずセリーグからだ。
2015/02/27
「優勝」への熱を強く感じたカープ
よく「春季キャンプはプロ野球選手にとっての正月」というが、その意識は現役を退いた今でも変わらない。今年も、石垣島・ロッテ、宜野湾・横浜を皮切りに、各チームのキャンプを年始の挨拶回りで訪れた。
残念ながら、スケジュールの都合で久米島には足を延ばせなかったが、残りの11球団の“キャンプ熱”を肌で感じた中で、印象に残ったチームをピックアップしたい。
セリーグで最も熱さを感じたチームは広島だ。
とにかく投手力が傑出している。特に、素質に溢れた顔触れに黒田博樹が加わった先発陣はリーグ随一。ブルペン陣の頭数や、左右のバランスが整えば、ぶっちぎりの優勝さえあり得る。その可能性を感じさせるほど戦力が充実していた。
2月前半にキャンプを行っていた、日南・天福球場では室内練習場が改修されており、その辺りにも球団の今季にかける熱意を感じた。
また、カープ女子を中心としたファンの熱さもすごかった。スタンドは練習を見学するファンで赤一色。そんなファンからも、「今季は優勝!」という意気込みが伝わった。
そして、何よりも優勝への熱を感じたのは、選手自身たちからだった。
若くてポテンシャルのある選手たちが、がむしゃらに頑張っている。早朝から特守に励んでいた。全体練習が始まる10時の時点で、堂林翔太のユニフォームはすでにドロドロに汚れていた。チーム全体に「優勝するぞ」「優勝できる」というムードが充満しているのだ。
打線に関しては元々、大量得点を期待できるような爆発力のあるラインナップではない。それだけに「計算通り」という点では、足を絡めながら、堅実に機能するのではないか。