大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



キャンプで実感 今年のセリーグは広島を中心に回る【小宮山悟の眼】

2月1日、プロ野球のキャンプインにあわせて、久米島以外の11球団のキャンプ地を訪れた小宮山氏。今月のコラムは、キャンプで印象に残ったチームをセパ両リーグから1チームあげてみた。まずセリーグからだ。

2015/02/27

text By



緒方新監督の手腕に注目

 そこでポイントになるのが、緒方孝市新監督の手腕だろう。
 
 緒方監督は現役時代、三拍子そろった素晴らしい選手だった。そんな自分と今の選手を重ねたら、きっと物足りなく感じる部分が出てきて、不満が溜まってしまうだろう。選手に高望みをすると余計な負担がかかるのではないだろうか?
 
 野手出身の新監督が、どうやって投手陣を操るか、という点も興味深い。投手にはシーズン中に好不調の波があり、その見極めが難しい。
 
 監督は当然、「抑えてくれる」ことを期待して投手をマウンドに送り出す。そして、その傾向はブルペン陣に対してより強くなる。その結果、1人か2人の中継ぎ投手が序盤から登板過多になり、シーズン終盤にはスタミナ切れしてしまう。野手出身監督の場合によく起きてしまう現象のようだ。
 
 緒方監督が、その課題をどうクリアするか。畝投手コーチと密に連携を取りながら、全面的に投手管理を委託できれば、スムースに運ぶだろう。
 
 落合監督時代の中日における森投手コーチとの関係のように、強いチームは、この作業分担や管理体制の関係がしっかりと築かれていることが多いのだ。才能のある若手が多いだけに、カープ黄金期を迎えるためにも、そういう点で緒方監督の手腕に期待したい。
 
 とにかく、選手自身が自信に満ち溢れている点が心強い。そして、それはにわか意識ではない。長年、好投手を中心に獲得を進めてきたドラフト戦略。丸や菊池といった生え抜きの野手が台頭してきた育成戦略。そのチームの方針が結実の時期を迎えており、それを現場の選手たちも感じ取っているのだ。
 
 今年のセリーグは間違いなく広島を中心に回っていく。
 そう感じさせるような日南キャンプの練習風景だった。
 
 
―――――――――――――――――――――――
 
P88 S0401660
 
小宮山悟(こみやま・さとる)
 
1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家、Jリーグの理事も務める。

1 2


error: Content is protected !!