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ロッテに吹き込んだ新風。1軍昇格翌日に9年目の初打点。猪本が照らす明るい未来【マリーンズドキュメント】

千葉ロッテマリーンズの猪本健太郎内野手は8月29日、プロ9年目で初打点をマーク。本拠地でお立ち台デビューし、球場全体を持ち前の明るさで盛り上げた。

2017/09/03

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千葉ロッテマリーンズ



座右の銘を体現、プロ9年目の初打点

 まさに、一寸先はパラダイス。
 
 2軍球場で汗を流していた選手が、翌日に1軍のヒーローとして拍手喝采を浴びる。猪本健太郎は自らの座右の銘を体現してみせた。
 
 1軍の舞台に戻った8月29日のオリックス戦。7番・一塁手でスタメン起用された猪本は、中盤に巡ってきた満塁の場面で貴重な2点適時打を放った。「接戦だったので必死でした。力が入りすぎていたので、あの打席はリラックスしていこうと思いました」という勝ち越し打は、猪本にとって9年目のプロ初打点だった。
 
 試合前の円陣では、声出しを担当してチームメイトを笑顔にした。この日は、試合後のヒーローインタビューも、ZOZOマリンスタジアムのファンと喜びを分かち合う『We Are』も、猪本の独壇場だった。皆でハッピーバースデーを歌って伊東勤監督の誕生日を祝いながら、猪本の存在は勝利の熱気をどこまでも色濃くしていった。
 
 プロの世界が目まぐるしい競争であることは十分に知っている。育成ドラフトで入団した福岡ソフトバンクホークス時代を経て、昨秋のテスト入団で千葉ロッテマリーンズの一員となった。今年5月に1軍昇格したとき、持ち前の明るさはマリーンズに新たな風を吹き込んだ。
 
 再び2軍生活を送るようになってからもその姿は変わらず、ピンチを迎えた投手がいればすぐに駆け寄り、居残り練習に励む自分以外の選手のことも明るく鼓舞する。数年後を見据えた意気込みを語る若手選手に向けて、「自分たちは単年契約なのだから一年勝負。まずは今年だ」と言葉を投げかけたのは、紛れもない本心だったのだろう。
 
 「どこであっても野球は変わらないので、(2軍にいた頃も)1軍と変わらずにやろうと肝に銘じていました。自分なりの覚悟を持ってやっています」
 
 良くも悪くも、明日なにが起きるかなんて誰にもわからない。ならば、明るい未来を信じて前に進めばいい。うまくいかないことがあっても、プラス思考でいる限り、きっと物事は好転していく。ZOZOマリンのグラウンドで輝くヒーローは、そんなことを教えてくれた。