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復調・巨人、投打でランクイン。陽岱鋼が両リーグトップ、新人・畠はMVP級の奪三振力【データで選出8月月間MVP】

8月度の日本生命月間MVPが発表され、野手では山川穂高(西武)と筒香嘉智(DeNA)が、投手ではデニス・サファテ(ソフトバンク)とマイルズ・マイコラス(巨人)が選出された。山川は8月2日の楽天戦で3打席連続本塁打を放つなど絶好調。チームが勝利を重ねていく原動力となり、がっちりとレギュラーの座をつかみとった1ヵ月だった。今月もデータに主眼を置いた別角度からの評価で、8月に最も効果的な働きを見せていた選手が誰なのかをチェックしていく。

2017/09/12

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助っ人外国人選手が上位に。チームを救った新人投手たちも

 投手の1位はリック・バンデンハーク(ソフトバンク)、マイルズ・マイコラスの両外国人となった。平均が20%弱となるK%(奪三振割合)でともに30%を超える数字を残すなど高い投球の質を見せながら、それぞれ5試合で33、37イニングを投げ、量の面でも貢献した。
 
 救援投手としてよく働いたのも外国人で、最高値はセ・リーグはラファエル・ドリス(阪神)、パ・リーグは日本生命月間MVPにも選ばれたデニス・サファテだった。ドリスは高いK%に加え、10%弱が平均となるBB%(与四球割合)を1.8%と低く抑えた。さらに50%弱が平均となるゴロ率で66.7%と多くのゴロを打たせ、失点リスクを低く抑える投球を見せていた。サファテは対戦した打者の45.5%と約半数から三振を奪う打者を圧倒する投球を継続している。打者は打球を前に飛ばすことすら困難だったようだ。
 
 畠世周(巨人)と藤平尚真(楽天)の両ルーキーも上位にランクインした。畠はK%が32.0%とマイコラスやバンデンハーク並のペースで三振を奪った。セ・リーグトップのマイコラスに比べ1試合登板が少ないため量の貢献は小さくなってしまったが、8月中にもう一度登板があればトップも狙えるような内容だった。
 
 藤平はパ・リーグ3位にランクイン。しかし各分野の数字を見ていくとK%こそ27.9%と高いものの、イニングも11と少なく、他投手に比べると突出したものはない。ゴロ率も29.6%と低く、打球に角度をつけられフライを打たれることが多かった。しかし投手の責任が大きい本塁打を0に抑え、またフライを打たれていたものの外野まで飛ばさせるケースが少なかったことが藤平の評価につながった。
 
 藤平が8月に打たれた18のフライのうち、8つが内野へのフライだった。内野フライは100%に近い確率でアウトになるためゴロを打たせる以上に安全な打球となる。長打の危険が大きい、角度のついた打球を多く打たれたものの、遠くまで飛ばさせないことで失点リスクを下げていた。これが実力に基づくものなのか否かは気になるところ。今後の投球を注視していきたい。

 
 
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