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野上、巨人の“FA=負のイメージ“を断ち切れるか。右腕を待ち受ける天国か地獄

埼玉西武ライオンズからフリーエージェント(FA)権を行使した野上亮磨投手は、読売ジャイアンツに移籍した。背番号は23に決まった。

2017/12/05

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数字で見る野上への期待値

 果たして巨人の“FA=負のイメージ”を断ち切ることが出来るか。
 
 西武からFA宣言し、巨人入りを果たした野上亮磨投手にはどうしても心配をしてしまう人が決して少なくないと思う。あらためて30歳右腕の周辺を分析し直してみると決してプラス要素だけではなく、やはりマイナス面もいくつか浮上して来るからだ。
 
 今季の成績は11勝10敗、防御率3.63。1投球回あたりで何人の走者を出したかを示す「WHIP」は1.06と今季はパ・リーグ3位の好記録を叩き出し、2桁をマークした勝ち星も含めて考察すれば期待は当然膨らむ。各メディアが報じたところによると、巨人側が積極的に導入し始めている「トラックマン」のデータでも野上はリリースの安定性や投球の回転数など多くのカテゴリーで高い数値を記録しているという。
 
 4日の入団会見も高橋由伸監督が同席する中、都内のホテルで華々しく行われた。各メディアも大々的に報じ、今季Bクラスに沈んだ巨人としては久しぶりに明るい話題となったようだ。
 
 だが今季こそ11勝を飾ったとはいえ、2桁勝利は実に4年ぶりのことだった点が少々気にかかる。2013年は11勝7敗、防御率3.95。しかし、14年シーズンは8勝10敗、防御率4.49と前年を下回る。15年は7勝7敗、防御率4.22。そして16年は3勝9敗、防御率3.87といまひとつ波に乗ることが出来ていなかった。
 
 しばらくパッとしていなかったところで今季はようやく1年間ローテを守り切り、久々の好結果を出したという印象は拭えない。これが、たまたまの「フロック」なのか。あるいはそうでなく本物なのかどうかは、来季のマウンドで明らかになるはずだ。
 
 ただし過去から現在までの流れを追っていく中で、野上にはいいデータもある。与四球数は13年から16年まで毎年40以上も記録していたが、17年には24と大幅に改善。被本塁打も13年シーズンが17でリーグワーストとなり、14年は15で4位、15年も15で5位と“一発病”を克服できずにいたものの、16、17年はいずれも10に抑えてワースト十傑から脱し、克服しつつあるようだ。

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