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野上、巨人の“FA=負のイメージ“を断ち切れるか。右腕を待ち受ける天国か地獄

埼玉西武ライオンズからフリーエージェント(FA)権を行使した野上亮磨投手は、読売ジャイアンツに移籍した。背番号は23に決まった。

2017/12/05

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先発三本柱の穴埋めなるか、野上にかかる期待

 厳しい見方ばかりでG党の人からお叱りを受けるかもしれない。でも、それは仕方がないと思う。事実、昨年オフのFA補強が失敗したこともあって巨人の編成に対する風当たりは強まっている。
 
 前横浜DeMAベイスターズの山口俊は治療中だった右肩痛が実は完治しておらず三軍スタートとなった挙句、一軍合流早々の7月に暴行事件を引き起こして出場停止。前北海道日本ハムファイターズの陽岱鋼もコンディション不良で開幕一軍は果たせず、一軍合流は6月以降だった。前福岡ソフトバンクホークスの森福允彦投手に至っては、ほとんど戦力にならずに移籍1年目を終えるというお粗末ぶりだ。
 
 このように昨今の巨人において“FA=負のイメージ”が漂う背景と照らし合わせれば、今オフFA入団の野上を“色眼鏡”で見てしまうのは当たり前のことだろう。
 
 ネット上で「野上は10勝しても10敗する投手」などといった厳しいコメントが散見されるのは、そういう流れもあるからだと考える。
 
 しかし逆に言えば、野上にとってこのタイミングでの巨人入団は千載一遇の大チャンスと言える。先発三本柱の一角を担っていたマイルズ・マイコラス投手の来季メジャー復帰が確実となり、野上にはその代役としてエース・菅野智之投手や田口麗斗投手とそん色ない活躍が求められることになるのだ。
 
 もし期待通り、いやそれ以上の成績を残してチームを4年ぶりのリーグ優勝、6年ぶりの日本一へと導けば「救世主」となる。そして同時に“FA=負のイメージ”をリセットし、巨人でばら色の野球人生を迎えることになるだろう。
 
 推定で3年4億5000万円という破格の好待遇を巨人が用意した意味を野上は深く噛み締め、是が非でも結果を出さなければいけない。期待を裏切った瞬間、今まで経験したことのない逆風が待ち受けていることは山口俊や森福のケースを見れば分かる。
 
 来季は天国か、地獄か――。どちらに転ぶかは野上の投球次第だ。

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