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DHに偵察メンバー、カウント間違え…。判定はどうなる?【意外と知らない野球ルール3問クイズ】

 野球には、様々な状況を想定した「公認野球規則」がある。このルールブックによって、想定外と思われるような珍場面でも公正な判定を下すことができる。今回は「名珍場面から振り返る野球のルール」(カンゼン、2014年4月刊行)より、難解な野球規則を過去の事例からクイズ形式で出題する。(2017年12月18日配信分、再掲載)

2020/03/28

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正解は…

A:指名打者への偵察メンバーは禁止。必ず1打席立たなければならない。
 

 1982年の規則改正により、指名打者は1打席を完了しなければならない。2011 年5月20日に行われたセ・パ交流戦、オリックス対広島。広島の野村謙二郎監督は相手の先発投手を読めなかったため、「7番・指名打者」に今村猛投手を起用し、2回表1アウト一塁での第1打席で代打を送る準備をした。ところが、オリックスの岡田彰布監督から「規則に違反しているのではないか?」とのアピールが入った。
 
 指名打者制について記されている公認野球規則6.10(b)の(2)にはこう書かれている。
 
 「試合開始前に交換された打順に記載された指名打者は、相手チームの先発投手に対して、少なくとも1度は、打撃を完了しなければ交代できない。ただし、その先発投手が交代したときは、その必要はない」
 
 指名打者に入った今村投手は、「少なくとも1度は、打撃を完了しなければ交代できない」に触れたということ。仮に、この時点でオリックスの先発投手が交代していれば、今村投手に代打を送ることも可能だった。
 
 試合後、野村監督は「完全なボーンヘッド」とコメントを残している。続く、今村投手の第2打席では、石井琢朗選手を代打に送った。実は、この規則は1982 年に改正されたもので、指名打者制度が導入された当初は、第一打席であっても代打を送ることができた。MLBでは1981年に改正され、NPBもそれに準じて規則を定めたことになる。

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