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同じ打者に継投…、規定打席不足なのに首位打者…判定はどうなる?【意外と知らない野球ルール3問クイズ】

野球には、様々な状況を想定した「公認野球規則」がある。このルールブックによって、想定外と思われるような珍場面でも公正な判定を下すことができる。今回は「名珍場面から振り返る野球のルール」(カンゼン、2014年刊行)より、難解な野球規則を過去の事例からクイズ形式で出題する。(2018年1月7日配信分、再掲載)

2020/04/09

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正解は…

B:二人目の投手が打者をアウトにしたことになる。
 

 打者の打撃途中に、投手の故障などにより交代が行われることがある。
 
 2012年9月17日の中日対巨人で実際に起きた事例。中日の先発・吉見一起が4回表2アウト二塁の状況で、打者・阿部慎之助に1球投げたところで、体の異変を訴えて自ら降板。 引き継いだ武藤祐太が、阿部をセンターフライに打ち取った。
 
 このような場合、記録はどうなるのか。公認野球規則10.16(h)(3)を見てみましょう。
 
 「(h)前任投手が打者の打撃を完了させないで退いたときには、次の要項によって各投手の責任が明らかにされる」
 
 「(3)投手が代わって出場した当時、打者のボールカウントが次のような場合には、その打者およびその打者の行為はすべて救援投手の責任とする」
 
 そのボールカウントとは、2-2、1-2、1-1、1-0、0-2、0-1の6種類。武藤の場合はこれに当たるため、阿部を打ち取った記録は武藤に付くことになった。
 
 複雑なのが、四球を出した場合だ。10.16(1)を見てみよう。
 
 「(1)投手が代わって出場した当時、ボールカウントが次のようなときであって、その打者が四球を得た場合には、その四球を得た打者は前任投手が責めを負うべき打者として記録し、救援投手の責任とはならない」
 
 ボールカウントが2-0、2-1、3-0、3-1、3-2の場合。つまり、打者有利カウントからの四球にかぎっては、前任投手の責任となる。

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