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プロ野球に新たな療法。発案は日本人、“逆輸入“のファンクショナル・カッピング・メソッドとは?

大谷翔平が加入するロサンゼルス・エンゼルスからほど近い、カリフォルニア州のアーバイン市から新たなコンディショニング法が広まっている。米国公認カイロプラクター浅野吉隆氏が考案したファンクショナル・カッピング・メソッドだ。日本のプロ野球球団や選手からも支持を得ているという、そのコンディショニング法を現地在住記者がリポートする。(取材・文:角谷剛【アーバイン】)

2018/01/21

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元メジャーリーガー長谷川滋利氏が最高顧問

 日米を問わず長いシーズンを戦うプロ野球選手達にとって日々の身体のケアとコンディショニングの重要性は極めて高い。近年多くのアスリートが取り入れている筋膜リリースもその一つであるのだが、その筋膜リリースのさらなる発展形であるファンクショナル・カッピング・メソッドという手法が日本のプロ野球界において浸透し始めている。
 
 最も熱心なのはオリックス・バッファローズで、同チームの所属トレーナーの多くがファンクショナル・カッピング・メソッドの認定トレーナーでもある。
 
 実はこのファンクショナル・カッピング・メソッドは大谷翔平が所属するエンゼルスの本拠地アナハイムから20分ほどにあるアーバイン市在住の米国公認カイロプラクター浅野吉隆氏が考案し、広めたコンディショニング手法である。
 
 自身のクリニックを開業するかたわら、プロサッカーチームのロサンゼルス・ギャラクシーのメディカル・スタッフでもあった浅野氏が、アスリートの怪我を減らし、コンディショニングを向上させるための方法として、2015年にファンクショナル・カッピング・メソッドを考案した。
 
 2017年には一般社団法人グローバルアスリートサポート協会(GASA)を日本に設立し、同メソッドの推進活動をも開始した。この協会の最高顧問には元メジャーリーガー長谷川滋利氏が就任している。以降、前述のオリックス・バファローズに加え、数多くのプロ野球選手や球団トレーナーがファンクショナル・カッピング・メソッドを取り入れている。
 

 従来の筋膜リリースの多くがフォームローラーなどで筋肉を押す方法を取るのに対し、ファンクショナル・カッピング・メソッドでは特製のシリコンカップ(左写真)を使い、癒着した組織を吸い上げて剥がすことに特徴がある。
 
 また、伝統的な治療法としてのカッピングが一般的にガラスやプラスチックの素材を使用した多数のカップを背中などに固定し、ある時は火をつけて加熱するのに対し、ファンクショナル・カッピングでは特製のシリコンカップを皮膚の上で滑らせて、吸い上げたスペースの下にある部位を動かす方法を取る。

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