「きみたちはできる!」若いファイターズを率いる、栗山監督の勝利への強い執着心
3月27日の開幕が目前に迫った。日本ハムはソフトバンク、オリックスに続く3位という見方が多い。
2015/03/27
ベースボールチャンネル編集部
ファイターズにとって、栗山監督は理想
就任1年目の2012年、栗山監督の前途は多難だと思われた。ダルビッシュが抜けたのだから無理もない。
だが新監督は、ファイターズをリーグ優勝に導いた。2年目の斎藤を開幕投手に大抜擢して勝利をつかみ、開幕から極度の不振に陥った中田を我慢して使い続け、四番として大成させた。精神的な弱さから力を出し切れなかった吉川も、「今年ダメならユニフォームを脱がす」と言い方は悪いが、”脅迫”して覚醒させた。
抜擢した控え選手や若手が結果を出してお立ち台に上がるたび、栗山監督はベンチで涙ぐんでいた。それは当初、ネタにもされたが、監督が涙を流すたびにチームは団結して頂点へと駆け上がった。
栗山監督は引退後、メディアの世界で活躍してきた。現役時代の実績はそこまでない。そのことは就任当初、不安材料として見られていた。
プロ野球の監督は、日本に12人しかいないのだ。箔がなければ、とても務まるものではない。だがフロント主導で若返りが進むファイターズを率いるには、理想の人物だったかもしれない。
栗山監督は熱意に満ちた教師のように愚直に「やればできる」と訴え続け、若者たちのやる気を引き出す。大谷を「ショウヘイ」、西川を「ハルキ」と呼ぶように、ほとんどの選手を下の名前で呼ぶことでも一体感を高めている。これがファイターズのカラーなのだ。
3月27日の開幕戦、ファイターズはおそらく12球団一若いオーダーでグラウンドに立つことになる。一途な監督、栗山英樹が率いる若いチームが優勝を目指して走り始める。