ソフトバンクにまたも現れた“育成の星”。故障者続出の投手陣支える石川柊太、プロ5年目で見せる攻めの投球
例年にないほど故障者が続出している福岡ソフトバンクホークス。先発不足で苦しい状況の昨季王者だが、そんな中で投手陣をけん引しているのがプロ5年目の石川柊太投手だ。
2018/06/01
1軍2年目で勝ち頭に成長
すっかり勝ち頭へと成長した石川だが、1軍デビューは昨季のこと。4月4日の楽天戦で中継ぎとしてプロ初登板。5月31日の中日戦で初先発し、初勝利を挙げた。先発と中継ぎで34試合を投げ、8勝3敗。さらに横浜DeNAベイスターズとの日本シリーズでは、中継ぎながら2勝をマークして日本一に大きく貢献した。
ソフトバンクでは千賀滉大と甲斐拓也の育成出身バッテリーが注目されているが、石川も同じく育成出身選手である。
都立総合工科高校時代は3年の春夏ともに東東京都大会ベスト8。創価大学に進学すると、4年の春季リーグで初勝利を挙げ(春3勝)、秋季は4勝を挙げてリーグ連覇に貢献した。大学の通算成績は7勝0敗、防御率は0.99を誇る。
そして2013年育成ドラフト1巡目で入団し、16年7月1日に支配下登録された。「育成での入団だったので、当時はまだプロになった実感がなかった。1軍で投げ始めてからですね。今年からが大変。より頑張らないといけません」と、今季を見据えていた。
ここまで勝ち星を積み重ねているが、勝利後も「6、7回(降板)で勝ち投手というのも……」と首をかしげ、昨季の投球映像を見ては「この頃はいいストレートを放っているな」と漏らす。
2敗目を喫した5月23日西武戦からの一週間は、ウエートトレーニングを減らし投球フォームの確認を行ってきた。甲子園球場は学生時代も含めて初めてのマウンド。内容としては納得のいくものではなかったが、勝ちがついた。
初勝利からちょうど1年。“育成の星”は千賀だけじゃないと言わんばかりの活躍を見せている。さらなる飛躍で、故障者続出のチームを救えるかに注目していきたい。
文・古江美奈子