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2年ぶりに楽天に復帰 40歳のベテラン助っ人・レイが先発の救世主に

4連敗後、引き分けを挟む3連勝で盛り返した楽天。今季は則本のあとにつづく先発陣の整備が課題の一つとされているが、ここに今季2年ぶりにチームに加入した助っ人・レイが名乗りを上げた。今年41歳を迎えるベテラン投手はここまでチームの勝ち頭だ。

2015/04/12

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助っ人陣の中で一番の活躍を見せるベテラン投手

 4連敗後、引き分けを挟む3連勝で盛り返した楽天。このまま波に乗りたいところだが、現状、頼みの綱である外国人が思うように機能していない。抑え候補のミコライオ は全治3カ月の椎間板ヘルニアで離脱。開幕5番サンチェスも打撃不振で4戦終了後に2軍調整となった(4月11日再登録で1号2ランを打った)。ヤンキースから獲得したウィーラーはチーム第1号を放つも、守備難で先日登録を抹消されている。外国人打者で奮闘しているのは開幕直前に獲得した4番ペーニャだけ。そのペーニャも待望の一発は4月11日現在お預け状態で、最近は勝負を避けられる場面も目立つ。その苛立ちからか、ボール球の変化球に強引に空振りするシーンも増えてきた。

 そんな助っ人の中で、失礼ながら予想外の好活躍を見せているのがケニー・レイだ。現在2勝はチームの勝ち頭である。

 ロイヤルズを皮切りにメジャー数球団や米独立リーグ、メキシコ、韓国、台湾、日本と環太平洋を渡り歩いてきたベテラン右腕は、2013年シーズン途中に楽天へ入団。5試合19回1/3を投げて0勝1敗の成績を残し、同年オフに構想外となった。
 そして、昨秋の入団テストを受けて2年ぶりにクリムゾンレッドに袖を通していた。

 一度は戦力外と判断されている。今年11月には41歳を迎える。目を見張る球種の持ち主でもない。格安年俸とはいえ、なぜ楽天は再獲得したのか?そう疑問に感じた野球ファンに一発回答を見せたのが、開幕2戦の札幌ドーム、3月28日の日本ハム2回戦だった。

 武田勝との投げ合いは、味方打線が4点を先制援護したこともあり、投打が噛み合う好ゲームになった。レイは全体の60%に迫る球数を低めに集め、5回を無四死球、5安打1失点に抑えて今季初勝利を飾った。

 ハイライトは3点リードしていたとはいえ、連打で招いた5回1死1、2塁、9番・中島卓を迎えた場面である。3球目をファウルで打たせて1-2と追い込んだが、最大の見どころはここから始まった。

 解説席に座った光山英和氏が「This is中島のバッティングですね」と絶賛する粘り打ちが、大声援を味方につけて本領発揮されていく。2ストライク後のファウルは実に4本。際どいボール球を見きわめられ、フルカウントとなり、勝負の10球目を迎える。

 根負けせずに嶋の要求どおり内角低めに投げ切った144キロのツーシーム。中島卓が出かかったバットを止めにいって見逃した球は、ボールゾーンから入るフロントドア。ストライクゾーン四隅に収まっての見逃し三振になり、軍配はレイに上がった。

 ここでつながれていれば、相手打線は上位さらに中軸にまわる危険性もあった。それだけに大きな三振奪取になった。光山氏は「(相手打者に)考えさせる投手ですね」「40歳でも取った外国人という意味が少しわかりましたね」と好評価。試合後のヒーローインタビューでは敵地に駆けつけたファンを気遣う紳士な振る舞いを見せ、何故この年までオファーがあるのか、その理由の一端を垣間見た思いがした。

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