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広島の独走V3許した下位チームのふがいなさ顕著。“1強”阻止へ編成から見直しを【小宮山悟の眼】

 プロ野球のセントラル・リーグは、広島東洋カープが独走で球団史上初のリーグ3連覇を果たした。3位以下が勝率5割を切るなど下位のチームがこれほどまで沈んだ要因は何だったのか。そして、昨季の最下位から現在2位まで躍進している東京ヤクルトスワローズはいかにしてチームを立て直したのだろうか。

2018/09/30

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ヤクルトの健闘を支えた宮本ヘッドCの存在

 その中で東京ヤクルトスワローズは、しっかりとチームをつくった。5割を少し超えたほどだという意見もあるだろうが、私は称賛したい。
 
 ヘッドコーチに宮本慎也を招へいしてピリッとした印象だ。昨秋のキャンプから「小言を言い続けている」と本人が話していたが、選手の意識改革ができた。さらに、石井琢朗と河田雄祐の両コーチが広島を強くしたときのように、若手にバットを振らせたというのも大きいだろう。
 
 ヤクルトが優勝を狙うのはまだ先の話だと思っていた。優勝への条件を整えるため、今季は若手の底上げや選手の能力の上積みに取り組むシーズンという見方をしていた。だが、昨季最下位に沈んだチームが今季は2位につけている。開幕前はここまでは考えられなかった。称賛すべきだろう。
 
 このままでは広島の独走は続くだろう。巨人のV9時代も、90年代の西武の黄金時代も同様だが、選手がそろっていれば勝ち続ける。“1強”時代を防ぐためには、監督だけでなく、ドラフト会議などの編成から機能するように見直していかなければならないと思う。
 
 
小宮山悟(こみやま・さとる)
 
 1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家を務める。

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