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広島を取り巻く2つの不安、緊張感少ないシーズンに主力の去就。地力あるソフトバンクへの勝機は【小宮山悟の眼】

プロ野球の日本シリーズが27日、幕開けする。セ・リーグ3連覇を果たした広島東洋カープとパ・リーグ2位から這い上がった福岡ソフトバンクホークスはいかなる戦いを見せるだろうか。

2018/10/26

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CSは完璧の出来だったソフトバンク

 一方のパ・リーグは、両リーグトップの88勝を挙げた西武に勝ってもらいたかったが、初戦を落として立て直しができなかったという印象だ。シーズンを通して「弱い」とされていた部分が一番大事な局面でもろに出てしまった。ソフトバンクの地力が上と言わざるを得ない。
 
 2位が決まってからのソフトバンクは先を見据え、CSに照準を合わせてきた。かつてのソフトバンクは、リーグ優勝して対戦相手を待ち受けてやられてきた。その過去があるので、逆の立場となって「いける」と前向きに捉えて試合に臨んでいたんじゃないか。待たされて勝つことの大変さを知っている。だからこそ、ファーストステージで日本ハムを破った勢いで、ファイナルステージも突破できるという勝算を見出していたように思う。
 
 内川聖一が復帰して、デスパイネが復調した。決して絶好調の打線ではないけれど、不調と言われたころに比べると戦えるレベルになってきた。故障から復帰できなかった選手もいるが、その穴は十分に埋まってバランスが取れている。ブルペン陣もしっかり機能し、CSでは完璧の出来だったと言っていい。故障者だらけで苦しんでいたにもかかわらず、2位に滑り込んで日本シリーズ進出を決めた。
 
 改めてソフトバンクの選手層は厚く、底力を感じている。ただ、セ・リーグの代表である広島にも十分に力がある。不安要素さえクリアすれば、いい勝負になると思う。4勝3敗という競り合いになるような試合でシリーズを盛り上げてほしい。
 
 
小宮山悟(こみやま・さとる)
 
1965年、千葉県生まれ。早稲田大学を経て、89年ドラフト1位でロッテ・オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)へ入団。精度の高い制球力を武器に1年目から先発ローテーション入りを果たすと、以降、千葉ロッテのエースとして活躍した。00年、横浜ベイスターズ(現横浜DeNAベイスターズ)へ移籍。02年はボビー・バレンタイン監督率いるニューヨーク・メッツでプレーした。04年に古巣・千葉ロッテへ復帰、09年に現役を引退した。現在は、野球解説者、野球評論家を務める。
 
 
氏原英明

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