無安打に沈んだ若き2人の大砲。日本球界の課題“動くボール”、山川穂高・岡本和真は何を感じたか【日米野球】
「2018日米野球」が9日、東京ドームで開幕した。息詰まる接戦となった第1戦は、日本代表「侍ジャパン」の柳田悠岐外野手のサヨナラ逆転2ランで劇的な幕切れとなった。MLBオールスターに常に先手を取られながらも粘り強く食い下がった日本代表。見事、白星発進を果たしたが、期待の大砲2人は無安打に沈んだ。
2018/11/10
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前向きに次戦を見据えた山川と岡本
MLBオールスターズの先発ジュニア・ゲラは150キロのストレートとほとんど同じ球速のツーシーム、スライダー、スプリットを投げ分けてきた。2番手マット・アンドリースはインステップしながら140キロ後半のストレートと日本人投手とは種類の違ったチェンジアップで打者を牛耳ってきた。3番手コリン・マキューは、メジャー屈指といわれる回転数を誇るカーブ、左打者の外から入ってくるスライダーなど、その名の通り“魔球”の使い手だった。
これらの投手に、2人のバットは沈黙を続けた。一生懸命やった結果だが、重要なことは彼らが何を感じたか。
山川はメジャー投手陣の印象をこう振り返る。
「まっすぐも良かったですし、変化球の曲がりも大きかった。手元で動かしてくる感じでした」
続けて岡本もこう語っている。
「一つ言えるのは、引っ張りに行くとなかなか打てないと思います。日本にはああいう投手はほとんどいない。」
今大会はけがにより本来の主砲・筒香嘉智が欠場している。その分、2人にかかる期待は大きい。その中で彼らが何を感じたかは、今大会や侍ジャパンの未来というだけでなく、2人にとっても大きな意義を持ってくるだろう。
前向きな性格の2人はそれぞれ次戦以降を見据えた。
「3三振して落ち込んでも仕方がない。ああいう形でチームが勝ったので、みんなの存在が心強いと感じました。僕もヒーローになれるように頑張っていく」と山川が言えば、岡本は「1本打ちたいっす!」と今大会の目標を明確に口にした。
日米野球はまだ第1戦を終えたばかりだ。個と個の対決の中で、今年大ブレークをしたばかりの若き大砲が何を感じるか。その体験こそが彼らを大きくする。
山川と岡本の2人がこれからも日本の野球界を背負う大砲として君臨していくための、意義ある大会になってほしいと願う。
氏原英明