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3000試合出場の谷繁兼任監督が、チーム内外からリスペクトされる理由

中日の谷繁元信監督兼捕手が4月30日の巨人戦(東京ドーム)でプロ野球史上2人目となる通算3000試合出場を達成した。監督、選手という二刀流の激務をこなしつつ、妥協せず真摯に向き合う姿に、多くの人が信頼を寄せている。

2015/05/02

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選手として妥協しない姿が、若手に好影響

 兼任監督時代の古田氏の出場成績は1年目の2006年が36試合、2年目の2007年が10試合。一方の谷繁兼任監督は1年目の2014年が91試合、2年目の今季は4月30日時点で9試合に出場している。どちらかと言えば指揮官のほうが本業だった当時の古田兼任監督に対し、谷繁兼任監督は時にスタメンマスクを被りながらベンチワークも同時に行うという〝二刀流〟をかなりのペースでありながら卒なくやってのけている。どうやったら打者を打ち取ることができるのか。そしてどのようにすればチームは勝てるのか――。

 この2つを同時に1つの頭で考えなければいけないのだから、谷繁兼任監督のポジションは並みの人間であればまず間違いなく務まらない。

 きちんと筋を通すことを徹底し、上にも媚びることなくモノをズバズバ言えるのも谷繁兼任監督の魅力の1つだ。だから現場からの意見として落合博満GMにも遠慮することなく注文や要望を口にすることもあるし、選手はもちろん、年上のコーチにだって間違っていると感じれば厳しく指摘する。それでも言われる側は「監督にそう言われたのだから」と納得するケースが大半だ。

 兼任監督になったからと言って練習メニューを減らしたりするようなことは基本的にせず、一心不乱になって汗を流し続けているひたむきさを誰もが目にしている。筋力をキープさせるため、三塁でノックを受けて捕球後に一塁へ全力で投げる反復練習を横浜ベイスターズ時代からずっとルーティンとして続け、兼任監督になって2年目の今も欠かさず取り組んでいる姿は若い選手たちの良きお手本だ。自らの体で示す谷繁流にチームやフロント関係者は強い感銘を受け、ファン、そしてメディアの関係者たちも心を突き動かされているのである。

 横浜ベイスターズの若手時代に一軍でマスクを被ると配球をすぐに忘れてしまうことから首脳陣に赤ちゃんのオシメになぞらえて、パンパースと屈辱的なニックネームを命名され、新聞紙上をにぎわせたのは当時を知る関係者の間では非常に有名な話だ。その高卒捕手が歴史に名を刻むプロ野球界のレジェンド・プレイングマネージャーとして今も活躍を続けている。

 好調・中日を率いる谷繁兼任監督のプレーと手腕に注目だ。

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