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苦手・辛島を打ち崩したスギノールが、栗山監督に評価される理由【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#102】

ファイターズは楽天を苦手にしており、特に左の辛島は苦手中の苦手だ。4連敗で迎えた本拠地札幌ドームの楽天戦12回戦(5月23日)は、その辛島が先発。栗山監督は西川遥輝をベンチに温存、打順を1番・渡邉諒、2番・杉谷拳士という大胆なオーダーで挑んだ。

2019/05/25

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ファイターズが苦手な辛島

 4連敗で迎えた本拠地札幌ドームの楽天戦12回戦(5月23日)、イーグルス先発が辛島航と聞いて、やばいなぁ5連敗したくないよー、と弱気になった。ファイターズはそもそも楽天を苦手にしている(去年、楽天が最下位に沈んでいる状況でもコロコロ負けた)のだが、なかでも辛島は苦手中の苦手だ。もう名前を聞いただけで打てる気がしない。ファンの間では「つらしま」で通ってるらしい。あまりにも打てなくてつらいから。
 
 辛島投手の「つらしま」に関しては異論もあって、最初に言ったのはイーグルスファンだという説だ。たぶんキャリアの浅い時代かと思うが、期待して送り出した辛島が相手打線につかまってしまったとき、その事象を「つらしま」と呼んだのが発端だという。そんなこと言われてもファイターズは基本、牛耳られていてピンと来ないのだ。いやいや、こっちのほうが断然「つらしま」でしょうと思う。
 
 辛島投手の「辛い」という字が「からい」「つらい」のどちらにも読めることから発生した野球軽口というかネタなのだが、面白いのは「からい」「つらい」が常態をいう言葉であるところだ。その状態をいう特性を生かして、辛島投手の出来をこのように表記する例をSNSで見かけたこともある。
 
 激辛島
 辛島
 中辛島
 甘島
 
 さしずめファイターズは「激辛島」にばかり当たっていたのだなぁ。本当に「予告先発・辛島」の文字を見ると軽く凹むのだ。ウソでもいいから「予告先発・甘島」と書いて期待を持たせてくれないだろうか。それじゃ誰かわからないか。
 
 で、実は1週間前、東京ドームの楽天主催試合(16日、9回戦)で、ファイターズは珍しく辛島に土をつけたのだ。平沼翔太が外野フェンスの縁に当たるタイムリー2ベースを放ち、初めてヒーローインタビューを受けた試合だ。といって投手成績は7回被安打6、失点1(104球)だからぜんぜん「甘島」ではなかった。僕は当日、3塁側上層階の内野自由席にいたが、あれれ、勝っちゃったよ、という感じだった。スコアは2-0。苦手辛島を攻略したのでなく、投手陣の完封リレー(加藤、堀、公文、宮西、秋吉と、クローザー以外は左をつないだ)でもぎ取った勝利だ。あの3連戦は仙台で2試合やって、最後だけ東京へ移動ゲーム(当日移動して即、試合する)だったのだが、それもラッキーだった。楽天生命パークなら負けていた気がする。
 
 だもんで12回戦は辛島側からすると、リベンジというのか1週間前の借りを返す機会じゃなかったか。困ったなぁ。油断してフワッと入ってほしいのに、リベンジに燃えられると厄介きわまりない。あのスライダーは打てないよ。特にうちの左バッター陣。当方の先発は杉浦稔大だった。今季、登板間隔をあけて肩の様子をチェックしつつ、大切に使っている投手。ここまで登板イニング無失点で来ている。連敗ストッパーになってもらうには、無失点継続しかないかなぁ。

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