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地方球場でビデオ判定は行われず 〝日本流チャレンジ制度〟の導入は必要か

24日に大宮球場で行われた埼玉西武戦で、李大浩の大飛球はファールと判定された。通常、このような場合はビデオ判定が適用される可能性が高いが、今回は「地方球場」のため確認用設備が整っていないことから本塁打のビデオ判定は行われなかった。

2015/06/27

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チャレンジ制度を拡大適用したMLB

 ちなみにメジャーリーグでは昨シーズンからチャレンジ制度が導入されている。

 2008年から本塁打の判定のみに適用されてきたビデオ判定を、打者のボール、ストライク以外のすべてのジャッジに拡大して適用する内容で、両軍監督には1試合原則としてプレーボールから6回までに1度、7回から試合終了までに2度の異議申し立てを主張できる権利(判定が覆ればカウントされず、逆にビデオ判定の末に判定通りならばその試合での異議申し立ての権利を失う)が与えられるようになった。

 これにより疑惑のジャッジは大幅に激減。こうしたメジャーのチャレンジ制度を日本のプロ野球にも早急に取り入れるべきと強く訴える国内の関係者や有識者も少なくはない。
 この意見には賛成だ。公正かつ厳格な判定を審判団が下すためには人間の目だけでなく、それを補うための手立てとしてビデオを使うことは理にかなっている。

 日本のプロ野球も、進化を果たさなければいけない時期に来ている。NPBには海の向こうの制度を参考にし、それを叩き台にしながら現状よりも大きく踏み込んだビデオ判定のルールを制定することで、日本球界から疑惑のジャッジを少しでも減らしてほしいと切に願う。多くの人から「間違っているかもしれない」という疑念を抱かれたままのジャッジによってチームの勝敗やプレーヤーの個人成績が左右するようなことになれば、当事者も、そしてファンも暗澹たる思いを抱くことになるからだ。

 ただし何でもかんでもメジャーのシステムを完全に模倣するだけではダメだ。李が〝幻の本塁打〟を放った大宮球場を含めビデオ判定の設備が整っていない地方球場は他にもまだたくさんある。

 12球団がこういう設備の整っていない地方球場で公式戦を戦うことも考慮したうえで、NPBは例えば、くだんの地方球場における試合で異議申し立てが起こるケースに直面した場合においては、工藤監督の主張した「テレビ中継映像の拝借」か、もしくは中継そのものがない時には前もって「NPB専属のチャレンジ用ビデオ撮影要員の配置」を決めるなど、あらゆる状況に応じて速やかかつフレキシブルな対応が取れるような〝日本流チャレンジ制度〟の導入を検討してみる必要性があるのではないだろうか。

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