セ・リーグ“弱点ランキング”。オフに効果的な対処を行ったのはどの球団?【データで解く野球の真実】
プロ野球は2月1日にいよいよキャンプインを迎える。開幕が近づくのにあわせ、各球団の陣容もほぼ固まってきたように見える。今回は各球団が昨季抱えていた弱点に対し、このオフにどのような対処を行ったかをおさらいし、評価していく。今回はセ・リーグ編だ。
2020/01/30
DELTA
先発に大きな弱点もやや慎重な中日。広島の遊撃は現有戦力の復調・成長に賭ける
○ワースト4位 中日の先発 -23.4
中日は非常に得点が入りにくいナゴヤドームを本拠地としている。投手陣の成績は他球団に比べ良くなりやすいはずだが、先発は-23.4点とマイナスが膨らんでいた。救援は14.9と平均以上の値となっているが、セットアッパーとして素晴らしい働きを見せたジョエリー・ロドリゲスは退団。投手陣全体の状況は深刻と考えるべきだ。
そんな状況に対しチームは積極的な対策を打ったとは言い難い。ドラフトでは4名の投手を指名したが(育成選手除く)、そのうち2名は高校生。新外国人もロドリゲスにかわりルイス・ゴンサレスを獲得しただけにとどまった(育成選手除く)。現有戦力の成長に自信をもっているか、あるいはもう少し長期的な視点で編成を行ったのかもしれないが、投手陣再建に向けて積極的に対処したとはいえない。
○ワースト3位 広島の遊撃 -27.5
昨季は2015年から連続フルイニング出場を続けていた田中広輔が大きく成績を落としたことで、代わりに高卒ルーキーの小園海斗らが試合に出場。3連覇の原動力となった遊撃は大きな弱点に変わってしまった。
ただ田中は昨季右膝の故障を抱えながら出場を続けていたという報道もあった。広島がこのオフ遊撃手の補強を行っていないのは、コンディションが回復すれば田中はまだまだ活躍できると見込んでいるからかもしれない。また若い小園にも成長が期待できる。さらに遊撃は補強しようにも、選択肢が少ないという事情もある。このオフに弱点の穴埋めに動かないのは妥当な選択といえるのではないだろうか。