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【野球コラム】50敗目を喫した中日ドラゴンズ 選手起用で打つ手を誤った谷繁監督

混セの中で、中日は蚊帳の外という感がある。チーム打率、防御率など数字だけを見れば他の5球団と比較しても劣っているわけではない。一体、低迷する理由はどこにあるのだろうか。

2015/08/01

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監督専念が立て直しの道か

 球団関係者がそう振り返るように、采配や選手起用にややギクシャクしたものが生まれると、セ・パ交流戦まではどうにか粘ったものの、6月23日からの東京ヤクルトとの3連戦で、チームには決定的な綻びが出てしまう。3-1とリードしていた7回表に3点を失って逆転されたのだが、その守りでアンダーソン・エルナンデスと大島洋平が飛球をお見合いしたのだ。昨年もこうしたプレーをきっかけに失速しただけに、チームにとっては嫌な前兆が現れると、25日の同カードでは、同点の一死満塁から大野雄大が田中浩康にショートゴロを打たせたものの、二塁ベースで送球を受けた亀澤恭平が、何を思ったのか一塁へ送球せずに二塁走者を追いかけてしまう。タッチアウトにする間に三塁走者が決勝のホームを踏み、カード3連敗となったのだ。

 明らかに集中力に欠けたプレーが続き、チームのムードは一気に沈む。

 そして、それを変えようとした谷繁監督も打つ手を誤ってしまう。ある監督経験者はこう指摘する。

「あの3連戦の翌日、福田永将の登録を抹消したのですが、あれは絶対に禁じ手です。開幕3連敗の嫌な雰囲気を吹き飛ばし、序盤の打線を活性化させた立て役者でしょう。ましてや、落合博満監督の時代から期待されながら、ようやく9年目できっかけをつかんだ選手。言葉は悪いですけど、今季は調子に波があっても使い潰すくらいの起用をしなければいけない。そんな福田をファームへ落としたこと、また、同じように大成してほしい高橋周平の起用法に一貫性がないことで、選手たちに迷いや不安が出たと思います」

 打った、抑えたというグラウンドでのプレーだけでなく、チームに関するあらゆる動きが勝敗に結びついていくのがプロ野球という世界。では、残り50試合で浮上する可能性はあるのか。前出の監督経験者はこう言う。

「7月28日の阪神戦で、谷繁監督は3018試合出場の日本記録を樹立した。自身の選手登録を抹消して監督に専念し、吉見一起の復帰や新外国人で先発ローテーションが整ってくれば、30勝20敗くらいの反撃はできるでしょう」

 少なくとも、優勝争いに大きな影響を及ぼす戦いは見せてもらいたい。

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