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金本知憲がキャリアハイ。今岡誠が147打点を記録 セイバーメトリクスの視点で過去の打撃ベスト10を振り返ろう ~2005年編~

2020/11/20

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Getty Images, DELTA・道作



2005年のパ・リーグ

チーム    試合 勝率 得点 失点 得失点
ロッテ    136 .632 740 479  261
ソフトバンク 136 .664 658 504  154
西武     136 .493 604 636  -32
オリックス  136 .470 527 587  -60
日本ハム   136 .466 605 606  -1
楽天     136 .281 504 812  -308
 

 
 前年に起こった球界再編の結果、東北楽天ゴールデンイーグルスが誕生した。ほかにもオリックスはバファローズとなり、ダイエーはソフトバンクに興行権譲渡。パ・リーグは新たな枠組みでのスタートしている。

 この年は前年同様に松中信彦(ソフトバンク)がセイバー系指標、出塁率、長打率、本塁打、打点のすべてでリーグをリードした。しかし打率だけは首位に7厘ほど届かず、2年連続三冠王とはならなかった。wRAAも57.6と例年の1位選手に比べても高いレベルの値となっている。
 
 打率に注目すると、首位打者常連の小笠原道大(日本ハム)が打率.282に終わっている。そのかわりに強振タイプのフリオ・ズレータ(ソフトバンク)が打率.319を記録。首位打者になりかけるなど波乱の展開となった。打率は1-9位までが3分ほどの狭い範囲に集中し、上位にも下位にも飛び抜けた値がなかった。こうした事情もあってかベスト10のランキングは一芸型の選手も少ない、似た成績の選手が多いシーズンとなっている。ランキング4位の和田一浩(西武)が.322で初の首位打者を獲得している。常連メンバーが多く顔を出す中、山崎武司の復活があったことは新生楽天にとって数少ない明るいニュースであった。
 
 この年は前年の打高環境を受け、本拠地でのボールが飛びすぎたと考えた球団がボールを変更したようで、本塁打数は前年から約10%減少。平年の打撃状況に近付いている。
 
 ベスト10圏外の注目選手は規定打席に達しなかった2人、中村剛也(西武)とサブロー(ロッテ)である。中村は本塁打王の松中と同等のペースで本塁打を量産しており、いよいよ後年の活躍が視野に入ってきた時期にあたる。サブローは優勝したロッテで「つなぎの4番」として活躍した。この言葉の印象から、サブローはチームの最強打者ではなかったようにも聞こえるが、1打席あたりの得点貢献を示すwOBA(※3)はほかのロッテメンバーの中で最高の数値となっている。セイバーメトリクスの視点でのロッテ最強打者は普通にサブローであったことになる。
 
 この年のロッテはメンバー全員が水準以上の打力を示しリーグ最多の740得点を記録した。こうした攻撃力の高いチームは、一部の圧倒的な強打者によって得点を稼ぐことが多いが、ロッテは全体的に攻撃力が高いという点で珍しいケースであった。高い攻撃力もあり、得失点差はパ・リーグ史上最大の261を数えている。楽天相手の26対0のような大差ゲームの頻発も要因のひとつになった。ただロッテはレギュラーシーズンの勝率は2位。この頃はプレーオフの勝者がリーグ優勝となっていた。レギュラーシーズンではソフトバンクが89勝45敗で勝率.664でトップで、これは1983年西武以来の優秀な値となっている。

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