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セイバーメトリクスの視点で見るNPB歴代最強打者ランキング ~21位-30位~

2021/03/05

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DELTA・道作



ついに現役最強打者・柳田悠岐がランクイン。今後のトップ3入りも

 24位の加藤秀司は福本豊、山田久志と並ぶ、1970年代阪急黄金期の中心選手である。特にこの黄金期の後期に力を発揮し、1975年からの5年間は、最多塁打3回、最高出塁率3回、最高長打率1回、wRAAリーグ首位3回など、リーグの顔と呼べる存在であった。wRAAの首位3回は、この時点で中西・山内・張本に続くパ・リーグ史上4人目の快挙であった。

 25位の柳田悠岐はこの通算wRAAで最初に紹介する現役プレーヤーである。2015年以降の年度別記事で取り上げた際に繰り返し触れたが、今後通算でトップ3に入る可能性を秘めた打者である。通算ではなく数シーズンの傑出で見た場合、すでに歴代の強打者と肩を並べており、ベスト5シーズンの合計では現時点で歴代5位。2020年の成績をもう一度クリアできれば、ベスト5シーズンの合計は308.9となり、これは落合博満を上回って歴代3位となる。高い出塁率をキープした上で、フライボールを生産する現代風の強打者である。中堅を守る守備力は、守備指標UZR(※2)で見た場合、平均を下回る時期が続いたが、近年は改善が見られている。
 
 26位の大下弘は東急や西鉄で活躍した戦後の打者である。大下は数多く本塁打を放つスタイルのエポックメーカーとして名高い。戦前において2桁本塁打はNPB全体で2度記録されただけ。大下が1946年に20本塁打を放ち、新しい歴史の幕を開いたことはすでに有名な逸話である。健康維持が難しい時代だったこと、またデビューが同時代のライバルに比べやや遅かったためにキャリアが長くは続かず、この順位にとどまった。1951年には1打席あたりの得点貢献を表すwOBA(※3)で.494を記録。これは1973年に王が超えるまでの日本記録であった。また同年の打率.383も1970年に張本が超えるまでの日本記録であるなど、短い期間での爆発力が際立っていた。ちなみに大下は四球をあまりとらないタイプの打者であった。
 

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