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セイバーメトリクスの視点で見るNPB歴代最強打者ランキング ~31位-40位~

2021/03/08

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DELTA・道作



 

 

わずかキャリア7年のペタジーニが通算ランキングに

 前回までの記事で紹介してきた30位までのメンバーはほとんどと言っていいほどスラッガータイプであった。しかし、31位から40位には俊足のリードオフタイプの選手も混ざってくる。
 
 31位は現役の中村剛也がランクイン。年度別のベスト10記事でも触れてきたところだが、とにかく打撃の特性が長打に偏っている点で、過去最も極端な選手といえる。ただ一方で、試合数の9割以上に出場したのがわずか4シーズン。異能の活躍を見ると、虫食いのようにキャリアを蝕んだ負傷のシーズンが惜しまれてならない。規定打席に達した上で本塁打王を初めて逸したのがプロ入り16年目という奇妙な記録も、この選手の変則的な能力・選手生活をよく表している。

 32位はNPBでのキャリアが10年未満の中での最上位選手ロベルト・ペタジーニである。NPBでのキャリアはわずか7年。それも最後の1年はほぼ数字を上積みできなかったにもかかわらずこの数字である。本ランキングの上位はここまで20年を超えるキャリアを送った選手も珍しくなかった。そんな中、実質6年での32位という結果は、考えられないレベルの傑出度である。
 
 ペタジーニの単年度の傑出はシーズンごとのランキングでも紹介してきたが、通算でも強力な数字が並ぶ。140試合当たりのwRAAは王貞治に続く歴代2位。キャリア5年ベストのwRAAでも287.9で歴代7位となる。コンタクト力、長打力、選球眼のどれをとっても極めて優れた欠点のないスラッガーで、2003年には規定打席に達せずにリーグトップのwRAAをマークするというNPBの歴史上唯一の記録を残している。
 
 33位には阪急で活躍した福本豊が入った。純粋なリードオフタイプの打者としては、歴代最高の得点生産をマークしている。1234個の四球は歴代8位、449本の二塁打は歴代2位、115本の三塁打は歴代最高と、いずれも打撃三冠では評価されない部門で歴史的な成果を上げている。ランニング本塁打を含むフィールド内の長打568は現在でも最多記録として残る。最多四球6回は現在でも残るパ・リーグ記録。長距離打者が警戒された結果ではなく、最も塁に出したくない福本が奪い取った四球なので価値は高い。
 

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