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“欧州の新鋭”イタリア代表、再び旋風起こすか。MLB組招集も攻守に不安【WBC戦力分析】

2017/02/28

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 前回大会で1次ラウンドを突破したイタリア代表は、今大会でも数々のメジャーリーガーが参加する予定だ。しかし、イタリアの属するプールDにはドミニカ共和国、プエルトリコ、メキシコと大会屈指の強豪国が揃っており、1次ラウンド突破は極めて難しくなっている。近年では、同じ欧州のオランダ代表が飛躍を遂げているだけに、今大会も意地を見せたいところだ。
 
 野手陣では、ニューヨーク・メッツの若手有望株コンビであるギャビン・セッチーニ内野手、ブランドン・ニモ外野手、ピッツバーグ・パイレーツの正捕手であるフランシスコ・セルベリ、アリゾナ・ダイヤモンドバックス所属のユーティリティプレイヤーであるダニエル・デスカルソ内野手、ボルティモア・オリオールズのキャンプに招待選手で参加しているジョニー・ジアボテラ内野手とMLB経験者から若手有望株まで広くメンバーを招集することが出来た。
 
 一方で、シカゴ・カブスの主力打者であるアンソニー・リゾ内野手が欠場を表明している。前大会にも出場経験があり、長打力のある打者が不足しているイタリア代表にとって大きな痛手となっている。また、守備が安定している選手も少なく、攻守に不安を抱える陣容となっている。
 
 投手陣はマイナーリーグ、イタリア国内リーグの選手など、多くの球界から選手が参加している。MLB未昇格の選手が多く、一流打者の揃うプールDでは実力以上のピッチングを披露しなければ打ち込まれる危険性もある。
 
 主力となるのは、前オリックス・バファローズのアレッサンドロ・マエストリ投手、ニューヨーク・ヤンキースのリリーフ左腕であるトミー・レイン投手などだろう。
 
 マエストリは現在、日本の独立リーグに所属しているが、大会の結果次第ではNPBの球団と契約を結び直せる可能性も出てくる。先発、中継ぎともに経験があるため、様々な起用に応えていきたいところだ。
 
 レインは昨季途中にヤンキースに移籍し、シーズン計63試合に登板、防御率3.63と結果を残した。イタリア代表では最もレベルの高い結果を残している選手なだけに、投手陣の中心としての活躍が期待される。
 
 また、左右両腕で投げるスイッチピッチャーとして話題となった、パット・ベンディティ投手もロースターに名を連ねる。ベンディティは、「投手が先にどちらで投げるか示さなければならない」というルールをMLBで新しく制定させた投手だ。前回大会では、右肩の故障により左投げのみの登板となったが、今大会では打者ごとにスイッチして両腕で投球することがあるか、注目が集まる。
 
 イタリア系アメリカ人の選手ばかりでなく、マエストリのようなイタリア本国出身の選手も徐々に代表入りを果たしてきている。今大会でも好成績を残し、近年盛り上がりを見せるイタリア野球の発展に貢献したいところだ。