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前回4強のオランダ代表、MLBトップクラスの若手内野陣を中心に狙うは初の決勝進出【WBC代表分析】

2017/03/02

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 前回大会では、強豪キューバから2次ラウンドで2勝を挙げて初のベスト4入りしたオランダ代表。成長を遂げた若手内野陣に加え、投手陣の層も厚くなり、1次ラウンド突破は確実視されている。
 
 オランダ代表1番の武器が、MLBのトップクラスが揃った若手内野陣。中でもショートを守るロサンゼルス・エンゼルスのアンドレルトン・シモンズ内野手は、球界最高の守備力を誇る名手。圧倒的な守備範囲と抜群の強肩は一見の価値がある。前回大会ではリードオフマンを務め、決勝ラウンド進出を懸けたキューバ戦では8回に同点2ランを放つなどバットでも活躍。今大会も攻守両面で大きな期待がかかる。
 
 ボストン・レッドソックスでショートを守るザンダー・ボガーツ内野手は、今大会ではサードを任される予定。昨シーズン打率.294、21本、89打点の成績を残した打撃が魅力で、東京ヤクルトスワローズのウラディミール・バレンティン外野手とともに走者を返す役割が期待される。セカンドには25本塁打のボルティモア・オリオールズのジョナサン・スコープ内野手。ニューヨーク・ヤンキースでショートを守るディーディー・グレゴリアス内野手と、テキサス・レンジャーズのジュリクソン・プロファー内野手は、ポジションの関係でそれぞれDHと外野に就くことになるだろう。
 
 前回大会にもグレゴリアスを除く4選手(プロファーは決勝ラウンドから)が参戦していたが、当時はいずれもメジャー昇格寸前か直後で「若手有望株」の域を出ていなかった。全員が一線級に育って迎える今大会、どれだけのプレーを見せてくれるのだろうか。
 
 アンドリュー・ジョーンズ氏こそ引退したものの、バレンティンやダシェンコ・リカルド捕手、カート・スミス内野手、リアン・サムス外野手ら前回大会のレギュラー陣は今大会も健在で、脇を固める彼らも侮れない打力を持っている。
 
 先発陣で大きいのは、福岡ソフトバンクホークスのリック・バンデンハーク投手の存在。WBCには2009年大会で1度参加しているが、韓国・日本球界を経て当時と比べて数段に成長している。オランダ投手陣待望の大黒柱となってくれるはずだ。
 救援陣では、弱冠20歳のトム・デブロック投手の存在が大きい。常時約150キロ近い速球を投げ込む本格派で、過去のオランダチームではあまり見なかったタイプの投手。デブロックやNPB歴代最高身長を記録したルーク・ファンミル投手が試合終盤を任されることになることが予想される。予備投手枠に登録されているロサンゼルス・ドジャースの守護神ケンリー・ジャンセン投手が加われば、死角はほとんどなくなる。
 
 オランダ本土だけでなく、統治下にある南米キュラソーやアルバなど各地域の出身選手から構成されるオランダ代表だが、チームとしての結束力の高さは前回大会で証明済み。監督は前回に引き続きヘンスリー・ミューレンス氏が務め、「throw strike」を合言葉に投手陣をまとめたMLB通算287勝のレジェンド、バート・ブライレブン氏も引き続き入閣、アンドリュー・ジョーンズ氏もコーチとして参加と首脳陣も万全。攻守ともに戦力は充実しており、初の決勝進出を十分狙える。