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米国が遂にドリームチーム結成!投打にオールスター級揃え、打倒ドミニカへ【WBC戦力分析】

2017/03/05

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 マイク・トラウト外野手や、クレイトン・カーショウ投手という投打のトップスターこそ不参加だが、今大会の米国代表には、野球の母国のメンバーとして相応しい選手が揃っている。
 
 特に、打線はこのままオールスターのチームとしても違和感のないほど。上位打線を務めるデトロイト・タイガースのイアン・キンズラー内野手や、マイアミ・マーリンズのクリスチャン・イェリッチ外野手らはいずれもパワーと走力、高い出塁率を併せ持つ。
 
 彼らを返す中軸は、昨季OPS(打率と出塁率を合わせた、総合的な攻撃力を表す指標)がリーグトップのワシントン・ナショナルズのダニエル・マーフィー内野手、コロラド・ロッキーズで本塁打と打点の2冠王を獲得したノーラン・アレナド内野手、通算OPS.924かつ走力もあるアリゾナ・ダイヤモンドバックスのポール・ゴールドシュミット内野手と豪華な顔ぶれ。下位打線にもMLB最強のパワーヒッターであるマーリンズのジャンカルロ・スタントン外野手や、2012年MVPのサンフランシスコ・ジャイアンツのバスター・ポージー捕手と隙がない。
  
 また、打撃だけでなく守備も一流なのが米国代表の特徴。特に内野陣は鉄壁で、アレナドは2冠王の打撃と同等かそれ以上に守備を評価される大リーグ最高の三塁手。ショートには、ダイナミックな守備を売りに2年連続ゴールドグラブ受賞のジャイアンツのブランドン・クロフォード内野手。内野4人の中で唯一昨年ゴールドグラブを受賞してないゴールドシュミットも、2013年、2015年のシルバースラッガー賞など過去に複数の受賞経験がある。
 
 控え選手に、複数ポジションを守れるセントルイス・カージナルスのマット・カーペンター内野手や、ヒューストン・アストロズのアレックス・ブレグマン内野手、アメリカン・リーグ最強の捕手であるテキサス・レンジャーズのジョナサン・ルクロイがいるのも心強い。
 
  投手陣の目玉は、クリーブランド・インディアンスのアンドリュー・ミラー投手。昨季のポストシーズンでは、10試合に登板し、19回1/3で30奪三振の圧倒的な活躍を見せた。また、イニングを問わず、回またぎも厭わない臨機応変の起用は、リリーフ投手の起用法に一石を投じた。WBCでもピンチの場面で登場し、大リーグ最高のスライダーで、各国の打者を凍り付かせるだろう。
  
 荒れ球のボルティモア・オリオールズのマイケル・ギブンズ投手、「人間投石器」と呼ばれるニューヨーク・ヤンキースのタイラー・クリッパード投手、変則投法のフィラデルフィア・フィリーズのパット・ニーシェック投手と、ミラー以外にもリリーフ陣のバリュエーションは豊富。9回を締めくくるのはテキサス・レンジャーズのクローザーであるサム・ダイソン投手が予想される。
 
 メンバーだけを見れば、優勝候補の筆頭であることは間違いない。これまでの大会では、各選手の調整の進度を重視して、ベストの起用法を取れないケースも目立っただけに、MLBで最優秀監督賞を3度受賞している名将、ジム・リーランド監督のマネジメント能力が勝負を分けるカギとなるだろう。
 
※メンバーは2/28時点のものです。