【2022阪神・戦力分析】優勝には高橋遥人、佐藤輝明の躍進が不可欠。弱点の二塁は若手抜擢の検討を
2022/03/16
産経新聞社、DELTA・竹下弘道
阪神タイガース 得失点差で見る戦力分析【2022シーズン】
2022年シーズンのプロ野球開幕が迫っている。今季の各チームはどのような陣容で開幕を迎えるだろうか。本シリーズは「戦力分析」と題して、昨季の状況を振り返り、オフシーズンの動向を確認することで今季のポイントを考えていく。今回の対象チームは阪神タイガースだ。
1.優勝とAクラス入りにはどれだけの底上げが必要か?
昨季の阪神は「優勝」と「Aクラス」からどのくらいの距離にあっただろうか。まずはこれを確認するため、昨季のセ・リーグ順位表(図1)を見てみよう。
ここでは得失点差(得点から失点を引いた数値)に着目する。得失点差はチームの勝敗と連動する性質があり、「得失点差の1/5」は「貯金」におおむね一致する。この性質を利用すると、得失点を何点改善すれば優勝とAクラス入りできるかを割り出せる。
昨季の阪神の得失点差は「+33点」だった。ここからは貯金6が予想されるが、実際はこれを大幅に上回る貯金21となったことで2位となった。
これは今季の阪神にとってネガティブな要素となる。なぜなら、阪神のように得失点差と貯金が乖離したチームは、翌シーズンになると乖離が解消される傾向があるからだ。阪神が昨季と同レベルの得失点差しか記録できない場合、貯金は6まで減ると予想される。
一般的な目安として、Aクラス入りには得失点差±0点(貯金0)、優勝には得失点差+100点(貯金20)が求められる。つまり、阪神は現状維持でもAクラスは狙える一方、優勝するには67点、得点を増やすか失点を減らさなければならない。