ソフトバンク・岩嵜翔、先発への未練捨てた2017年。“8回の男”が挑む11年目への決意
福岡ソフトバンクホークスの岩嵜翔投手は中継ぎに専念した昨季、自身初のタイトルを獲得して日本一に大きく貢献した。「工藤塾」での肉体強化が奏功した“8回の男”はオフもストイックにトレーニングに励む姿を見せていた。
2018/01/31
「工藤塾」で徐々に開花した岩嵜
まもなく始まる春季キャンプを前に、選手はそれぞれに自主トレーニングに励んでいる。日本一に輝いた福岡ソフトバンクホークスは12月にハワイ優勝旅行へ行き、1月から本格始動する選手がほとんどだった。
そんな中、優勝に大きく貢献しながらも福岡に残り、練習に励んでいたのが岩嵜翔だ。自身初となるタイトル最優秀中継ぎ投手に輝いた2017年シーズン。疲れも残っているだろうが、例年通りの過ごし方をしていた。
昨季は球団新記録となる72試合に登板し、46ホールドポイントを記録。「8回は岩嵜」がブルペンでも、ファンの間でも定着した。プロ入り当初は先発としてファームで実績を残し、2軍では勝ち星を重ねてきた。
満を持して1軍のマウンドに上がるも、一流選手には打ち込まれてしまう。そのため先発ローテ定着とはいかず、1軍と2軍を往復する日々を繰り返してきた。189センチの長身から放たれる速球にカーブ、フォークと魅力は十分。それだけに、なかなか開花できないことに本人ももどかしさを感じていた。
それが徐々に変化を見せ始める。工藤公康監督が就任してからは「工藤塾」と呼ばれる強化トレーニングで肉体を苛め抜き、ひと回り大きくなると、投球にも力強さが加わった。それが自信につながり、マウンド上で不安な表情を見せることもなくなる。「工藤塾」でもっとも功を奏した選手とも言えるだろう。
2016年、先発と中継ぎの両方をこなし35試合に登板した。チーム内でのポジション確立とはいかなかったが、光が見え始めた。