中後悠平、DeNAは日本復帰にベスト。米国で変化した野球観、“プライド捨てた”左腕と球団繋ぐキーワード
横浜DeNAベイスターズは4日、ダイヤモンドバックス傘下2Aを自由契約となった中後悠平投手との契約合意を発表した。背番号は「91」に決まった。
2018/07/10
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高いプライド、結果が伴わなかったロッテ時代
ベストな球団に拾ってもらったのではないか。
アリゾナ・ダイヤモンドバックスを自由契約となっていた中後悠平投手の日本プロ野球復帰が決まった。その所属球団が横浜DeNAベイスターズだという一報に、そんなことを思った。
なぜ、彼にとってベストなのか。
それは現在のDeNAが醸し出す雰囲気に彼の力が発揮されそうなにおいが漂うからだ。
中後はアマチュア時代から“和製ランディ・ジョンソン”と言われ、左サイドからの剛速球が評判の投手だった。大学1年秋に頭角を現すとそのまま近畿大のエース格となり、リーグの最優秀投手に輝いた。2011年ドラフト2位で千葉ロッテマリーンズの指名を受けた。当時から歯に衣着せぬ言動が持ち味の一つだった。
「(ドラフト1位で指名された)こいつら、本当に僕より実力が上なんすかね」
ドラフト2位を悔しがり、彼のプライドがにじむ言葉だった。しかし、そうした素の感情を表に出すタイプである一方、プロ入り後は、言動とは裏腹に結果が出なかった。負けん気の強さは言葉尻を聞いているだけで頼もしく思えたが、マウンド上では力み、持っているパフォーマンスを発揮できなかった。ランディ・ジョンソンばりのストレートやスライダーを見せることはなかった。
2015年に戦力外通告を受けた際はやや早い気もしたが、もともと左投手を育てるのが上手くない球団だけに、これ以上の期待ができないと考えるのは当然のことだった。