小笠原打撃コーチ就任で、清宮幸太郎に「化学変化」は起きるか?【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#113】
開幕前、今季の活躍を期待されていた2年目の清宮幸太郎は、ケガなどもあり十分に活躍できなかった。3年目の来季、同じ右投げ左打ちの小笠原道大ヘッドコーチ兼打撃コーチ就任によってどう打撃が変わるのか注目したい。
2019/10/27
ケガに苦しんだ2年目
少し前のことになるが、TBSラジオの仕事で早めに局入りしたときの話。廊下でナイツの塙宣之さんと出くわして立ち話になった。塙さんは開口一番、「清宮大丈夫なんですか?」と言うのだった。ちょうど球団が清宮幸太郎の右肘関節形成手術を行うと発表したタイミングだった。塙さんご自身は漫才のネタにもされてる通り、熱心な巨人ファンなのだが、番組共演者(「ナイツのちゃきちゃき大放送」)の僕を気づかって、日ハム情報もチェックしてくれている。今年の夏、ファイターズの成績が急降下したときも(口では色々言うけれど)野球ファンとしてのデリカシーがあった。
「まぁ今、手術すればキャンプには間に合うでしょう」と返したら、「ネットでめっちゃ悪口言われて可哀想ですね、温室育ちで虚弱だ何だって…」と言うのだ。え、そうなんですか? 僕はトシもトシだから情弱もいいところで、ネットの情報に疎い。ていうか、そもそも人の評判をあんまり気にしないタイプなのだ。「ありゃ~、ホントですか」と答えるしかなかった。
もちろん「ネット世論」が、そのままファンの総意というわけじゃない。人は色んな意見を持つものだし、色んな感情を持つ。またそれが刻々と変化したりもする。だから、清宮を叩く声ばかりじゃないはずだ。まぁ、平らにすれば応援する声のほうがずっと多いだろう。
ただ塙さんに教えてもらってよかったなと思った。清宮は逆風になかにいるのだろう。リトルリーグ、高校野球と常にスポットライトを浴びて、ドラフトでは高校生最多タイの7球団競合の末に、鳴り物入りでプロに飛び込む。ルーキーイヤーは何をやっても話題になった。が、2年目の今シーズンはケガがちで満足に働くことができなかった。世間はヤクルト村上宗隆の活躍を語るとき、決まって清宮の低迷を引き合いに出す。本人がいちばん不本意だろうに。何かちょっと意地悪なのだ。
まぁだけど、それを東京でいちばんの漫才師が気にかけてくれてたんだ。清宮はそれを冥加だと思って、胸を張って自分の道を歩めばいい。傷が癒え、万全の状態で春季キャンプに間に合ってっくれれば、僕には楽しみしかない。雑音なんて一切気にする必要がない。キャンプには小笠原道大打撃コーチ(兼ヘッドコーチ)が待っているのだ。