「残像を活用した」投球術で他国を圧倒。侍ジャパンを頂点に導いた“最新型”の方程式【プレミア12】
2019/11/18
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「ジャパンに対して熱いメンバーが集まってくれた」
シーズン終了後に開催された今大会は、正直、疲れはあった。
特に、日本シリーズに出場していた選手たちの疲れは隠せなかった。満身創痍で迎えていたのはどの選手も同じだった。しかし、計算できる3人を軸としたことで、チームは一つの方向性を導き出すことができた。7回までに最少失点で抑えることができれば勝利に近づけると思って戦えるからである。
稲葉監督は今大会をこう振り返った。
「大会前の強化試合でカナダとの初戦をやって負けました。試合には負けたんですけど、最後に1点差まで詰めよった。こういう野球をやっていくんだというのが敗戦の中で見えて、選手たちはそれを理解してやってくれた。今回はジャパンに対して熱いメンバーが集まってくれた。最後まで熱いメンバーでやりたいと思いましたし、いいメンバーで戦うことができた」
他国のチーム事情が侍ジャパンと同じとは言えないから、今大会の優勝で「世界一」と言えるのかはわからない。しかし、4年前はつかめなかった頂点に立つことができた事実は評価されていい。
その勝因に、今大会で他国を圧倒した投手陣がいたことを再確認した。
氏原英明
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