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「日本選手権で企業チームを倒したい」和歌山箕島球友会が、社会人クラブ日本一に輝く【プロにつながる社会人野球】

9月4日から4日間、社会人クラブチームの日本一を決める第40回全日本クラブ野球選手権大会が開催され、和歌山箕島球友会(和歌山県)が7-2で茨城ゴールデンゴールズ(茨城県)を下して優勝。日本選手権の出場権も獲得した。

2015/09/16

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近年は、近畿地区のチームがクラブ選手権を席巻

 社会人クラブチームの日本一を決める第40回全日本クラブ野球選手権大会は、9月4日から4日間、クラブ野球の聖地・西武プリンスドームに全国から16チームを集めて開催された。

 かつてクラブ野球は「硬式の草野球」とも呼ばれ、高校や大学、あるいは社会人野球を終えても硬式野球を楽しみたい人たちが休日にプレーする世界だった。
 クラブ選手権にも、還暦の現役選手が登場したり、三塁打を放った選手が走りすぎて気持ち悪くなってしまったりと、どこか長閑な空気が流れていた。

 しかし、1990年代後半から企業チームが相次いで活動を休止すると、本格的に野球を続ける道として注目を集める。

 解散した企業チームを母体にしたチーム、著名人が自治体と連携して立ち上げたチーム、クラブを名乗るも実質的な企業チームなど、様々な活動形態のチームがクラブ野球に進出。その傾向が最も顕著だったのは西日本だ。

 ちょうど20年前、1995年のクラブ選手権は13代表で行われたが、出場チームの内訳は北海道1、東北4、関東4、東海1、北信越1で、三重・近畿1、中・四国・九州1と極端な東寄りだった。つまり、静岡県から西で活動するチームが少なかったのだ。

 それが、近畿地区を中心に、企業のバックアップを受け、練習も毎日のように行うクラブチームが次々と誕生し、あっという間にクラブ選手権を席巻する。2000年の第25回大会まで、関東以外のチームが優勝したのは6回だったが(近畿は一度もない)、それ以降は昨年まで14回中8回も近畿勢が頂点に立っている。

 そうした歴史の移り変わりを象徴するように、40回の節目となる今大会も、一昨年の王者・和歌山箕島球友会と昨年優勝の茨城ゴールデンゴールズが決勝に進出した。

最高殊勲選手賞の寺岡大輝
【写真】最高殊勲選手賞の寺岡大輝投手。

 和歌山箕島球友会は、所沢グリーンベースボールクラブとの一回戦で劣勢を強いられたが、相手のミスから幸運にも同点に追いつくと、延長10回タイブレークで薄氷の勝利を挙げる。

 続く準々決勝は、最多10回の優勝を誇り、昨年は都市対抗にも出場した全足利クラブを、大阪産業大卒の新人右腕・寺岡大輝がシャットアウト。準決勝でも、千葉熱血MAKINGを終盤の逆転で振り切る。西川忠宏監督の恩師である尾藤 公監督が率いた箕島高のように、圧倒的な強さは感じさせないものの、試合が終われば勝っているという底力で、2年ぶりの頂上決戦に駒を進める。

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