巨人2軍に好投、評価急上昇でドラフト上位候補に。東洋大・原樹理が語る「覚悟」
高校3年夏に、東洋大姫路高のエースとして甲子園8強に進出し、甘いルックスもあり人気球児となった右腕・原樹理(現東洋大4年)。4年の月日が経った今、プロ球団のスカウト陣の評価が急上昇している。
2015/09/28
高木遊
秋も続く快投劇
一方で、その「今」の投球を見て、スカウトたちは、その先にある将来性を大きく感じている。
8月に行われたプロ・アマ交流戦では、巨人の2軍を相手に、8回まで味方野手の1失策のみに抑える無安打投球を見せ、「コントロールが良く、打者の打ちどころから微妙にズラしたところに投げているから、これだけ凡打の山を築ける」と評価したヤクルト・小川淳司シニアディレクターをはじめ、集まった多くのプロ球団関係者を唸らせた。
また秋季リーグの開幕2カードも4戦3勝(1試合は勝敗無しもチームは勝利)と、登板試合すべてでチームに勝利をもたらす好投を見せてきた。
そして迎えた9月26日の青山学院大戦。初回にライバルのドラフト上位候補外野手・吉田正尚に、ライトスタンドへ飛び込む一発を献上したものの、その後はわずか1安打しか打たれずに8回を2安打1失点無四球で完投(チームは0-1で敗戦)。高橋昭雄監督も「今日は調子が悪い中、よく立て直してくれました」とエースを労った。
また、「低めや両サイドに投げ分けるコントロールが素晴らしいです」と話した巨人・山下哲治スカウト部長をはじめ、東都2部の両雄を見に集まった多くのプロ球団スカウトを前に、再び好投を見せたことは大きなアピール材料となったはずだ。
試合後、原は「初回の一発は、前回の対戦でストレートを打たれなかったこともあり、フワっと入ってしまいました」と吉田に浴びた本塁打を反省しながらも、「スライダーでカウントが取れて、シュートやフォーク、ツーシーム、数日前から使い始めたワンシームも上手く使えました」と手応えを語った。
インタビューの最後、「先輩方が築き上げたものもありますし、僕1人のための野球ではなく、(部員)120人のための野球をやっています。だから、最後は何としてでもチームを1部に戻したいです」とエースらしい言葉で締めた原。
プロ志望届も近々出す予定だというが、まずは一心不乱に、目の前の試合で命を燃やす。