大化けの予感大! 強気と繊細さを兼ね備えた〝日大のジャイアン〟
いよいよ今週23日に行われる「プロ野球ドラフト会議」。将来有望な選手たちが運命の瞬間を待っている。今回は、「戦国」とも称される東都大学野球にあって、2部リーグ在籍と日の目をあまり見てはいないものの、キラリ……いやギラリとした異彩の存在感を放つ個性派左腕を紹介したい。
2014/10/20
Yu Takagi
相手への気遣い、おばあちゃん孝行……大らかな人間性
また、気さくで飾らない大らかな人間性も彼の大きな魅力のひとつだ。
花巻東時代に「カット打法」で一躍有名となり、今春、日大に入学した千葉翔太は野球部寮で戸根と同部屋。
千葉は戸根について「練習試合でも公式戦でも自分の投げた日は、部屋で録画した映像を見ながらその日のうちに野球日記をつけていました」と繊細な一面を語った一方で、自主練習さらには野球のテレビゲームなども2人でよくしたと言い、「良い意味であまり気を遣わなくてよく、本当に楽しく生活できました。(退寮して)部屋からいなくなってしまうと、静かになって寂しくなるんだろうなと思います」と別れを惜しんでいる。
プレーぶりだけでなく、勝っても負けても変わらない取材応対や明るい人柄に魅了されてきた。ひとたびマウンドを降りれば、「(指名されれば)契約金で、自分のことを常に1番に考えてくれたおばあちゃんに早くプレゼントがしたい」と、89歳になる祖母のきよさんへの孝行を誓っているなど優しさもにじみ出る。
甲子園出場もなく、神宮球場での登板もわずかな戸根。均整の取れたスマートな人間がもてはやされがちな昨今の世の中で、腕っ節自慢のこうした武闘派が大いに暴れ回るプロ野球も見てみたい。