打席で『さあ、来い!』と叫ぶ理由――侍魂でドラフト注目株へ成長した早稲田・茂木
今季早稲田大学から3人の選手がドラフト指名対象となる、プロ志望届を提出した。中でも上位指名が予想されるのが、茂木栄五郎だ。
2015/10/12
尊敬する選手は、鈴木大地
チームの中でスイングスピードは最も速い。
巨人の高橋由伸のように初球からバットを思い切り振りきる積極さ。バックスピンをかけるコツをつかんで、ジム通いで筋力を増強してパワーをつけた。その結果、春のシーズンではバックスクリーンに打ち込むなど5本塁打を放った。
その一方でツーストライクと追い込まれてからは左方向に流すバッティングにスタイルを変える。3年の秋には.514で首位打者を獲った。変幻自在、投手からしたら対戦したくないだろう。3年から大学日本代表に選ばれ、今年の夏のユニバーシアードでは4番も打った。
積極的に闘志を表に出す性格はホットコーナーの三塁向き。本人はチームの要として二塁手にも興味を示す。
171センチ、75キロ。大柄ではないが支えてきたのは周囲が「チームの中で一番」という練習量だ。寮の起床時刻前の朝5時からノックを受け、夕食後は深夜12時を回ってから室内練習場を引き上げることもあった。
尊敬する選手は桐蔭学園の先輩、千葉ロッテの鈴木大地だという。
当時の高校の監督から「立派な選手だから」と教えられた。
鈴木が大学時代、高校にやってきて一緒に練習したことがあったそうだ。「プロなのに腰も低く、練習の姿勢も真剣だった」。派手なスターではないが、欠かせない存在。茂木のプレーを見ていると、鈴木の姿と重なる。
高橋監督は「順調にいけばプロでもレギュラーを獲れる。何も心配していない」と言う。秋のリーグ戦は力が入って成績は伸びていないが、大学生の内野手の中では最上位の評価は変わらないだろう。