オコエら規格外の選手いるも即戦力より将来性。スカウティング力が問われる2015年ドラフト【高校生編】
10月22日、ドラフト会議が行われる。今年の高校生は規格外の選手もいるが、全体的には数年後を見据えた将来性重視の指名になるだろう。
2015/10/18
ドラ1候補の高橋、小笠原、成田は時間を掛けて育成も?
投手陣では代表のエースナンバー「18」をつけた高橋純平(県岐阜商)投手、甲子園優勝投手の小笠原慎之助(東海大相模)投手の評価が高い。
高橋純は150キロのストレートとスライダー、カットボール、スプリットを投げることができる。球速がただ速いだけではなく、総合力で抑えることのできる投手だ。ゆったりとしたフォームも理想的で、うまく育てば、菅野クラスにはなりえる素材だ。課題を挙げるとすると、メンタル面。U-18日本代表ではけがの影響もあったのか、弱気な姿勢を垣間見せた。少し時間を掛けて育成したほうがいいかもしれない。
大会後にひじ痛の報道があった小笠原だが、そのストレートは甲子園で計測した151キロなど質は高い。無駄な動きのない投球フォームも生き、ストレートだけの精度は高い水準にある。
しかし、変化球に多くの課題を持つ。
チェンジアップは効果的に使えるが、カーブ、スライダーはまだ成長途上だ。それがU-18代表での少ない登板機会に留まったのだが、2年前のエース・松井裕樹(楽天)ほどの評価にはならないだろう。
とはいえ、高校時代の前田健太(広島)はスライダーを投げられなかった。
そこをスカウトがどう判断し、育てる側がどう導くかだろう。前田は、1年目にマーティ―・ブラウン(元広島監督)にチェンジアップを学んでから、今の決め球、スライダーを習得している。小笠原にも“出会い”がキーを握りそうだ。
松井に似ているという部分では、成田翔(秋田商)投手は推したい選手だ。
出身校が秋田商であることから、「石川2世」(雅規、ヤクルト)との呼び声が高い。しかし、石川と同級生で秋田商の監督を務める太田直監督は「少なくとも、高校時代の石川よりは上」と話すよう、その可能性はまだまだ先にある。ストレートの球速は145キロを計測し、縦に変化するスライダー、チェンジアップの精度もいい。コントロールよく投げられるし、期待値は高い。
メンタル面においても、成田投手には強い部分を感じる。
太田監督によれば、「自主的に練習することができる選手」と芯の強さは折り紙付きだ。キリっとした力強い眼光には、彼の高い志がみえ、「負けた次の日は、必ず練習してきた」とも語るよう、勝負根性はただものではない。高校3年時の松井には劣るが、今後の成長次第でいくらでも変わることができる。