実力・実績十分の社会人ドラフト注目株。JR東日本・関谷亮太の指名順位は? 決断は?【プロにつながる社会人野球】
今年のドラフトは上位候補に大学生や高校生の名前があがっている。しかし、社会人にも実績があり、即戦力と期待できる選手も多く存在する。JR東日本の関谷亮太もその一人だ。
2015/10/19
宮野敦子
相手が対戦したくないと思わせる投手に
だからこそ、次のステップで身につけたいのが次元の違う投球なのだろう。
それは、関谷と対戦した打者が「あいつはいい投手」だと認めるだけではなく、「関谷とは対戦したくない」と言わせるまでの投球内容。他の投手が苦労する打者を確実に打ち取り、どうしてもほしい場面なら三振に仕留める。そうした“関谷亮太にしかできない投球”や“関谷亮太だからこそできるパフォーマンス”を追求していることが、関谷との対話から強く感じられた。
しかし、そうした志の高さは、時に自分自身を必要以上に追い込んでしまう。
たたでさえ注目を集める今シーズン序盤に見せた関谷らしくない姿は、高い理想を追い求めるがゆえの壁ではないかと感じた。それでも、堀井哲也監督から自分自身でその壁を打ち破る時間を与えられると、しっかりと心技を修正してみせる。
あとは、苦しみながらも成長の手応えを感じられたかどうか、関谷自身が現在の自分をどう評価するかなのだろう。
今年のドラフトは、関谷の同級生、すなわち大卒2年目で指名解禁となる社会人投手に逸材が揃う。昨年の時点では多ければ数名が1位に並ぶと見られていたが、実際には故障明けの今永昇太(駒澤大)や夏の甲子園出場を逃した高橋純平(県岐阜商高)が1位指名で競合すると言われるほど、社会人の有望株が絶対的な評価を得られていない。
そんな中、ドラフト会議が近づくにつれ、豊かな潜在能力と将来性を備え、小さな波はあったものの安定した投球を続ける関谷への関心が高まっている。
初めてドラフト候補として迎える10月22日、関谷はどの球団から何位で指名され、それをどう受け止め、どんな将来像を思い描くか。
2020年の東京オリンピックで野球が実施されれば、日本代表入りする可能性が大いにある投手。そうした意味で、今秋のドラフトの目玉と言える右腕の去就からは目が離せない。