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投手としての才能も? 素材は糸井や谷レベル、ドラフト指名を待つ大阪偕星・姫野優也

22日にドラフト会議が行われる。今年の夏の甲子園に出場した大阪偕星の姫野優也もドラフト指名候補の1人と言われている。ドラフト指名直前、山本監督は何を思うのか。

2015/10/21

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高松に預け、変化を待つ

 ところが――。
 高校2年の夏前、彼は細かな問題を起こしたこともあり、野球を辞めると言い出した。
 
「野球部だけではなくて学校も辞めると。野球はどうでもいいんです。折角預かった子どもだから、卒業はさせてやりたい。それは預かった側の義務だと思うんです。そこで最後の手段として香川県の東部漁連の〝親分〟に預けることにしたんです」
 
 山本は尽誠学園でコーチを務めていた時期がある。尽誠学園の監督、大河賢二郎の人間的な魅力もあったろう、地元の人間が様々な形で野球部を支えていた。高松市東部漁業協同組合の組合長、片岡圭三もその一人だった。山本も片岡たちに可愛がられ、高松は第二の故郷ともいえる場所になっていた。
 
 夏休みを利用して、姫野は片岡の家に住み込み、漁業組合の主催する祭りの売店を手伝うことになった。その間、山本は高松を訪れて姫野の様子を見に行っている。
 
「預けたはいいけど、放ったらかしにするわけにはいかない。片岡さんの奥さん、息子さん、その友だちに色々と言われたんでしょうね、様子が変わってきた」
 
 高校野球の監督は教育者であると信じる山本は能力ある選手を特別扱いすることはしない。そのため姫野が高松から戻ってきてもしばらくは試合に出さなかった。彼が野球と真摯に向き合うのを待っていたのだ。
 
 片岡の家族はその後もことあるごとに姫野に気を遣ってくれた。こうした周囲の支えで彼は野球に戻ってきたのだ。

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