今年こそブラジルの両親に吉報を。ドラフト指名を待つ仲尾次オスカル、3度目の正直となるか
2度の指名漏れを経験しながらも、今秋は例年にない手応えを持って、10月22日のドラフト会議当日を待つ仲尾次オスカル(Honda)。ブラジルから大きな夢を胸に、海を渡ってきた左腕はいかにして成長を遂げ、どのような思いで運命の日を待つのか。
2015/10/22
高木遊
140キロ台後半のストレートにスライダーやスプリットを投げ込む仲尾次オスカル。Hondaでは中継ぎや抑えでの起用が多い。
WBCブラジル代表にも選出
「今年はこれまでの2回より緊張感があります。今年が1番いい感じだからですかね。波がなく、良い結果を残せています」
そう手応えを語るのは、白鴎大からHondaに入社し3年目となる仲尾次(なかおし)オスカルだ。大学卒業時、そしてドラフト解禁となった社会人2年目と、いずれもプロを志望しながら、ドラフト指名はなかった。
ブラジル・サンパウロ州に生まれたオスカルは、レストランバーなどを経営する父の影響で6歳の頃から野球を始めた。両親、祖父母は全員日本人で、ブラジルで生まれ育った姉2人とオスカルがブラジル国籍を持つ。
ブラジルでは日系人のコミュニティを中心に野球が盛んな地域もあり、これまでNPBでは、広島や巨人で中継ぎとして活躍した玉木重雄や、ヤクルトで活躍し先日現役引退を発表した松元ユウイチらがブラジル出身の選手としてプレーしている。また白鴎大では、これまでもブラジル人選手を積極的に受け入れており、オスカルも大学入学と同時に来日した。
「来日当初は、言葉や文化に戸惑うことばかりでした」と話すオスカルだが、今では日本語に不自由はない。
大学時代は、関甲新学生リーグ新記録となる通算28勝を挙げ、社会人1年目にはWBCブラジル代表として日本戦にも登板した。
左腕から放たれる140キロ台後半のストレートを中心に、スライダーやカーブ、チェンジアップに昨年から覚えたスプリットも武器となっている。