今年こそブラジルの両親に吉報を。ドラフト指名を待つ仲尾次オスカル、3度目の正直となるか
2度の指名漏れを経験しながらも、今秋は例年にない手応えを持って、10月22日のドラフト会議当日を待つ仲尾次オスカル(Honda)。ブラジルから大きな夢を胸に、海を渡ってきた左腕はいかにして成長を遂げ、どのような思いで運命の日を待つのか。
2015/10/22
高木遊
高い向上心と吸収力
「人間性は申し分ないです。郷に従うこともできましたし、向上心にも溢れていて、みんなから好かれていましたね」
白鴎大で4年間指導にあたった藤倉多祐監督が、オスカルの人間性にそう太鼓判を押す。その上で「4年の時は責任感や向かっていく気持ちが強すぎることもありました」と話す。
だが、そうした部分も社会人球界屈指の強豪であるHondaに入社し3年。徐々に変わってきた。
「真壁賢守コーチ(※東北高時代にダルビッシュ有とともに活躍)や、甲子園を制している筑川利希也(東海大相模でセンバツ制覇)、福島由登(大阪桐蔭で選手権制覇)といった技術や知識に長けた先輩から様々なことを吸収していきました」と長谷川寿監督も目を細める。
これまでは力んで体が開いてしまうことも多かったが、「力を抜いた上で腕が振れるように」という長谷川監督のアドバイスもあり、今夏の都市対抗後は好投を続けた。
前述した新球・スプリットも、握りを投手1人ずつに聞いて、自らに合うものを探した結果、習得して物にするなど向上心に溢れている。
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