西野・小田に続く即戦力候補を集めたオリ、中日は情報戦を制し上位候補を指名【2015年ドラフト総括・社会人編】
10月22日、「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が都内で行われた。今年も注目選手に話題が集まったが、見るべきポイントはいくつもある。下位指名で活躍や大化けが期待できる選手は? ドラフトによる補強がうまくいった球団は? 今ドラフトにおける傾向や特徴を社会人、大学、高校と3つのカテゴリーにわけ、総括したい。
2015/10/24
グランドスラム
中学時代から互いを知る関谷・東條
千葉ロッテは2位の関谷亮太(JR東日本)を筆頭に、4位で東條大樹(JR東日本)、6位で信樂晃史(宮崎梅田学園)、7位で高野圭佑(JR西日本)と、すべて大卒2年目の右投手で揃えた。
中学時代から互いを知るという関谷と東條はもちろん、4人が内に秘めるライバル心は成長を促すはずで、巧みな指名だったと言える。
最下位からの逆襲を目論む横浜DeNAは4位で戸柱恭孝捕手(NTT西日本)、7位で左腕の野川拓斗投手(鷺宮製作所)を、東北楽天は5位で石橋良太投手(Honda)、6位で足立祐一捕手(パナソニック)を指名。イキのいい投手と強打の捕手を確保した。
一方、埼玉西武は3位で22歳の左腕・野田昇吾(西濃運輸)、5位で23歳の右腕・南川忠亮(JR四国)と、中継ぎで台頭しそうなタイプを獲得。こちらも、チームを活性化する戦力という意図が見て取れる。
そして、阪神は3位で21歳の大型右腕・竹安大知(熊本ゴールデンラークス)、巨人は8位でパンチ力を秘めた一塁手の松崎啄也(日本製紙石巻)、北海道日本ハムは2位で23歳の技巧派左腕・加藤貴之と、選手個々の能力を評価した。
リーグ優勝した福岡ソフトバンクは高校生を6名、東京ヤクルトは大学生2名に高校生4名で、ともに社会人の指名はなかったが、将来性を見込んだ指名に徹したのも興味深い。社会人選手にとって重要なのは指名順位ではなく、プロでプレーするチャンスを得られるかどうか。そういう意味で、例年以上の27名がスタートラインに立てたのは、今年の指名がなかった選手、また来年以降に指名対象となる逸材たちの勇気となるだろう。
次は、10月30日に開幕する第41回社会人野球日本選手権大会で、指名選手がどんなプレーを見せてくれるか楽しみたい。