弟はファンで、自身の応援歌は旧チャンテ。千葉ロッテと平沢大河の少なからぬ縁
今年高校No.1野手と評価され、楽天が早々と1位指名を明言していた仙台育英の平沢大河。ところが当日、ロッテも指名しくじ引きの末にロッテが指名権を獲得した。しかし、平沢家とロッテは少なからぬ縁があった。
2015/11/02
高橋昌江
西岡以来の高卒野手をドラフト1位で指名したロッテ
そんな平沢の運命はロッテに通じていた。平沢は2歳上の兄、高校1年の妹、小学6年の弟の4人きょうだい。その弟の大剛くんは、なぜかロッテファンなのだという。母・恵さんは「大剛がね、ロッテが大好きで、ロッテの帽子を被って毎日、学校に行っているの。ユニホームもタオルも持っていてね」と明かし、父・政幸さんも「楽天とロッテの試合に行くと、スススーっとライトスタンドのほうに行って、ジャンプ(の応援を)しているんですよ」と笑っていた。
当の大剛くんはバットとグローブを持って駆けつけていた。
さらに、仙台育英で平沢の応援歌として使われていたのが、「スキンヘッドランニング」。ロッテの旧チャンステーマである。平沢の打席は高校時代から常に〈ロッテ〉だったのだ。
高校野球を終えた後も毎日、「足りないところだらけ」と言いながら練習に励んでいる。3年生はほぼ全員が練習に参加しているが、いつも最後まで残っている。同級生と組んでキャッチボールやティー打撃、フリー打撃をしたり、後輩に混じってノックを受けたり。ボールを追いかけている時が一番、生き生きしている。
「どこのポジションでもやれるように準備していきたいと思います。今は遊ぶことよりも、プロに入ってからのことを意識していきたいと思っています」
ドラフト翌日、さっそくロッテから指名あいさつを受けた。
伊東監督は西武監督時代も含め、初めて、指名挨拶に訪れたという。2002年の西岡剛以来となる高卒ドラフト1位野手に対するチームの期待の表れだろう。
改めて、「今のままでは通用しないと思う」と話し、「全てにおいてアピールし、攻守でチームに貢献できるようにしたい」と決意した平沢。プロで好スタートを切るため、最後となる、宮城で過ごす冬を無駄にはしない。