早稲田大学、東京六大学初の4冠へ挑戦。明治神宮大会で快挙なるか
秋の東京六大学リーグ戦は、早稲田が優勝。13日から始まる明治神宮大会に出場するが、これまで東京六大学野球代表で、春秋、全日本、神宮の4冠を達成したチームはいない。今季、早稲田にはその記録がかかる。
2015/11/14
秋の優勝に貢献した重信、道端、北濱
春の首位打者の丸子(広陵)、茂木、石井(作新学院)ら春は3割を打ったクリーンアップにはマークも厳しくなり、軒並み打率を大きく落とした。チーム全体で打率で8分、得点は4割も減らした。その中で攻撃を支えたのは重信、投手陣を支えたのは捕手の道端(智弁和歌山)とリリーフで値千金の働きをした北濱だったと言える。
巨人からドラフト2位指名を受けた重信は首位打者を獲得。出塁すると7盗塁を記録して相手投手陣の脅威となった。
道端の貢献はなんと言ってもリード面。
慶大戦では本塁打を5本ずつ放っていた横尾はノーヒット、谷田を単打のみに封じるなど、各校の主力に決定的な働きをさせなかったインサイドワークは評価される。ボール球が二球続くとマウンドに駆け寄って、若い投手を叱咤し引っ張った。
その投手陣は大竹、小島(浦和学院)が四球を連発するなど不安定な投球が多かったが、2年の北濱が粘りの投球を見せた。「彼がリリーフのマウンドに行くと雰囲気が変わる」と監督に言わしめた。ムードを一変させ逆転打を引き出すなど、3勝を挙げた。
河原主将は負けた明大戦後のミーティングで「勝負はこれから」と鼓舞したという。浸透した高橋イズム。「負けないチームが強い」と言うように明大以外の大学には無敗。明大も慶大も勝ち点を挙げるが1敗を喫していて最後にこの負け数の差が優勝を分けた。
優勝インタビューで高橋監督は「河原以下、みんな諦めなかった」と言った。単純だが重みがあった。
早大は13日からの明治神宮大会に出場する。14日初戦は、愛知大学との対戦だ。
春秋のリーグ戦と全日本大学選手権に加え、これに優勝するといわゆる4冠になる。東京六大学リーグの代表は、まだ4冠を達成した大学はなく、初の快挙に挑む。
そこに立ちはだかるのは、まず東都のチャンピオンの亜大だ。
阪神6位の板山、プロ入りはならなかったが北村主将、藤岡ら好選手が揃う。来年のドラフト1位候補右腕・田中正義が君臨する創価大を破って出場する上武大も近年、底力がついている。
巨人ドラフト7位指名の右腕、中川がけん引する東海大も候補の一角。
注目の投手を挙げると巨人ドラフト1位指名を受けた桜井。中央球界にデビューする立命大のエース。東北福祉大の佐藤は中日2位指名の大型右腕だ。
早大はエースの大竹が慶大を完封してリーグ戦を終えたことは好材料。攻撃は1番重信の出塁率が高いので、3番茂木、4番丸子が逆方向を意識した春のような打撃ができるかに4冠がかかっている。