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「完璧な試合運び」史上3チーム目の夏秋連覇の日本生命。社会人野球の勢力図は今後どうなるか?【横尾弘一のプロへつながる社会人野球】

社会人野球のシーズンを締めくくる日本選手権は、日本生命が12大会ぶり3回目の優勝。都市対抗も制している日本生命は、史上3チーム目となる“夏秋連覇”を達成した。

2015/11/15

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宮野敦子



守り切る、ではなく攻め込む

 一回戦は、どんなに力のあるチームがどこを相手にしても難しい。
 いわゆる番狂わせが最も起きやすいステージで、2投手がドラフト指名を受けた鷺宮製作所と対戦。だが、1回裏に四番・高橋英嗣の2点二塁打で先制すると、その後も危なげない試合運びで6-1と快勝する。二回戦は、最大のヤマと思われたJR東日本。ここでも1回表に高橋のタイムリーで1点を先制し、追加点のほしい4回表には福富 裕が満塁弾。その裏にソロ本塁打で反撃されると、倍返し以上の再反撃で6点をもぎ取り、やはり3選手がドラフト指名された強豪を11-1の7回コールドで退ける。

 ここまでの2試合を見て、残るのはロースコアで競り負けるパターンしかなくなった。そして、NTT西日本が勝ち上がってきた準々決勝は4回表に1点を先制するも、そこからはゼロが並ぶ緊迫した展開。最後まで守り切れるかと見ていると、選手たちは「守り切ろう」ではなく、「さらに攻め込もう」という意識で結束しているのがわかった。果たして、9回表に一死満塁のチャンスをつかむと、古川昌平の二塁打で2点を追加。左腕の清水翔太もしっかりと完封勝利を挙げ、まったく死角のない戦いでベスト4へ進出する。

 準決勝では、初めて4強入りした伯和ビクトリーズに6-0で完勝し、大阪ガスに競り勝ったHondaとの決勝に臨む。

 この試合も2回裏に1点を先制するが、直後の3回表に追いつかれると、8回表には失策も絡み、二死満塁から押し出し四球で1点を奪われる。この大会で初めて追う展開となり、残す攻撃は2回。8回裏を無得点で終えると、9回表にも一死一、三塁とピンチに立たされる。しかし、都市対抗の橋戸賞投手・藤井貴之が渾身の力投で追加点を許さない。そうして最後の攻撃を迎えると、一死から上西主起と古川の連打で一、三塁とし、主将の岩下知永も右前に弾き返して同点に。たまらずHondaが満塁策を取ると、福富があっさり左中間へ大きな当たりを打ち返し、劇的なサヨナラ勝ちでダイヤモンド旗も手中に収めた。

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