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NTT西日本・戸柱恭孝、社会人3年目でつかんだプロへの切符。来季DeNAの正捕手争いへ【横尾弘一のプロにつながる社会人野球】

先日閉幕した社会人野球日本選手権大会には、今季横浜DeNAベイスターズからドラフト4位で指名を受けたNTT西日本・戸柱恭孝も出場した。指揮官が交代し、正捕手が不確定のDeNA。1年目からチャンスだ。

2015/11/17

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宮野敦子



正捕手の座をつかんだ2年目、まさかの指名漏れ

 第41回社会人野球日本選手権大会には、ドラフト指名された16名の選手が出場。社会人として最後の公式戦となるだけに、それぞれに特別な思いを抱いてプレーした。NTT西日本の強打の捕手・戸柱恭孝もそのひとりだ。

 鹿屋中央高、駒澤大では正捕手として活躍。プロを目指してNTT西日本へ入社する際も、「社会人野球を甘く見ていたわけではありませんが、すぐに試合には出られるだろうと考えていました」という。だが、「技術はもちろん、心構えや考え方まで、すべてを変えられたと言っていい」と振り返る。

 入社当時は、プロでも高い実績を残した佐々木 誠(現・福岡ソフトバンク三軍コーチ)が監督を務めており、それだけの指導者に認められたのだという自負もあった。実際、佐々木は戸柱を「プロでも通用する能力を持っている」と見ており、入社直後から公式戦でマスクを被る機会を与えた。しかし、戸柱がスタメン出場すると、投手が持ち味を発揮できない。それで試合に敗れてしまうこともあり、インサイドワークは一から学び直すことになる。

 その努力が実をつけてきた2年目は正捕手の座を手にし、九州大会では準優勝の原動力となって敢闘賞と首位打者賞に輝く。都市対抗近畿二次予選には惜しくも敗れたが、大阪ガスに補強されると扇の要を任され、豪快な本塁打や会心の決勝打でベスト8進出に貢献。秋の日本選手権では自チームをベスト8に導き、この年の社会人ベストナイン捕手に選出される。

「自分では、どちらかと言えば守りがメインのタイプだと思っていたので、バッティングで活躍でき、しかも社会人で最高の賞をいただけたのは大きな自信になりました」

 目標であるプロ入りに関しても、佐々木監督から「おまえは大丈夫だろう」と言われていたこともあり、ドラフトになれば、どこかの球団が指名してくれるものと思っていた。

 ところが、蓋を開ければ指名はなく、佐々木監督もチームを去る。ある球団のスカウトによれば、この時の戸柱も攻守に高く評価されており、指名を打診しようとした球団はあったようだ。ところが、「戸柱はプロ志望じゃない。会社に残留する」という根も葉もない噂が流れ、結果的に指名に至らなかったという。

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