【プレミア12】日本で培った経験。グループリーグ敗退の危機も、陽岱鋼とチェン・グァンユウは動じず
チャイニーズ・タイペイは、日本のプロ野球でプレーする二人の選手が中心だ。グループリーグ敗退の危機の直面しているが、全く慌てていない。
2015/11/14
中島大輔
ファイターズで学んだものを代表選手に伝えたい
プレミア12は日本と台湾の共催となったが、そのチャイニーズ・タイペイが窮地に追い込まれている。
打線は3試合で計19点を奪っているものの、投手陣が踏ん張れずにここまで1勝2敗。14日にキューバ、15日にプエルトリコと対戦するグループリーグの残り2試合で、最低でも1勝を挙げなければ決勝トーナメント進出が難しくなる。
「でも、点はとれているし、チームの雰囲気はいいですよ。試合をすると勝ち負けがあるものなので、前向きに考えたほうがいい」
そう話したのは、日本ハムの陽岱鋼だ。キューバ戦を翌日に控えた13日、台中インターコンチネンタル野球場で筆者の取材に応じてくれた。
すでによく知られた事実だが、台湾球界で陽はスーパースターだ。高卒で日本のプロ野球に進み、走攻守すべてにスケールの大きなプレーを見せてファイターズのスター選手に成り上がった。
台湾では2014年から日本ハムの全試合が有料放送され、15年は台湾から3000~4000の人々が札幌ドームに来場している。台湾の野球熱を高めている陽にとって、今大会には特別な意味がある。
「普段、日本でプレーするほうがプレッシャーを感じますね。国際大会には世界からいい選手が集まってくるし、なかなか出られないものだから、勉強の気持ちで自分にないものを相手から探すのも大事。前回、13年のWBCがあって(第2ラウンド進出)、今回は15年のプレミア。期待されているので、何とか残りの試合を勝つしかない」
チーム、個人としてグラウンドで結果を出すことはもちろん、陽はファイターズで学んだものをチャイニーズ・タイペイの選手たちに伝えたいと考えている。
「言葉で伝えるのはできないので、行動でやりたい。当たり前のことを当たり前にやれば、見ている人は見ていると思うので。打った後には全力で走る。捕ったボールを相手にしっかり投げる。それが当たり前のことです。プロに入ってからそういう教えをしてもらい、自分にとって本当に大事なものになってきたので、選手にそういうものを伝えたい」