台湾の最新野球事情――知名度が高い大谷、中田。陽・チェン・郭らの活躍で日本野球は人気
現在、台湾で日本の野球はどのように見られているのだろうか。台湾国際放送(RTI)の日本人記者に聞いた。
2015/11/17
「チェンチェン大丈夫」も台湾に浸透
――では、陽岱鋼、陳冠宇、郭俊麟ら日本で活躍する台湾人選手の評判を伺います。
今回のプレミア12でも、日本プロ野球所属球団のグッズをもって3選手を応援している台湾のファンをたくさん見かけました。
高校から日本に行った陽岱鋼選手は、プロ1年目の2006年オフに台湾で行われたインターコンチネンタルカップの代表になりましたが、当時は台湾のファンにはそれほど知られていませんでした。
しかし、ファイターズでレギュラーをつかみ、リーグを代表する選手になると、台湾でも知名度が向上。そして2013年のWBCで代表チームの一員として活躍したことで、普段日本プロ野球を見ないファンも注目するようになりました。
台湾で国民的炭酸飲料のCMに出演したり、台湾観光親善大使に任命されたりと、台湾を代表するアスリートの顔となっています。台湾は野球などのスポーツに興味、関心がある人と、ない人との差が大きいのですが、陽岱鋼選手については野球好きでなくても知っていますね。
――陳冠宇、郭俊麟らはいかがでしょうか?
陳冠宇投手、郭俊麟投手はいずれもアマチュア時代から、非常に有名な投手でしたが、現在までの知名度、人気が高まったのはこの1年といえます。
陳冠宇投手は、昨年末、千葉ロッテマリーンズのテストに合格、今年は一軍での活躍とともに、日本で彼の愛されるキャラクターが注目されましたが、こうしたニュースが台湾でも伝えられることで、人気が高まりました。
「チェンチェン大丈夫」という彼の決め台詞を知っている台湾のファンは少なくありません。
――郭俊麟はライオンズで開幕から先発ローテーションを任されました。
優勝した昨年のU21ワールドカップのピッチングで多くの人に知られるようになりました。日本プロ野球一年目の今年は、期待の高さからするとやや物足りない結果に終わり、本人も悔しさを語っていましたが、プレミア12では1次ラウンドのイタリア戦で7回1失点10奪三振の好投で勝ち投手となったほか、準々決勝進出を逃したもののプエルトリコ戦で8回1失点10奪三振の熱投を見せてくれました。
このピッチングは台湾のファンの心を打ちました。来年ライオンズでプレーする彼を応援したい、というファンはきっと増えたことでしょう。
他にもプレミア12では、10月に東北楽天ゴールデンイーグルスと育成契約した宋家豪投手がキューバ戦で6回1/3を1失点(自責点0)で抑え、勝利を呼び込みました。彼は、今年7月、決勝が雨天中止となり、台湾が日本と共に優勝した光州ユニバーシアードの準決勝、韓国戦における勝利の立役者ですが、地元開催のプレミア12でアピールしたことで、注目度は大きく向上しました。
昨今は個人で応援しにいくファンのほか、台湾選手が所属するチームの試合を観戦するツアーも企画されています。いずれにせよ、来年も多くの台湾ファンが日本に観戦に訪れるでしょう。