2016年ドラフトも豊作――田中正義ら大学野球で躍動する「大谷・藤浪世代」の好投手
2015年の大学野球は、18日の明治神宮大会閉幕でシーズンを終える形となった。今年のドラフトでは6球団が大学生投手を1位指名したが、来年2016 年も、ドラフト候補を見る限り、「大学生投手は豊作」だ。
2015/11/20
高木遊
創部4年目の新興校左腕に熱視線集まる
左腕では、神奈川大・濱口遥大(三養基)と新潟医療福祉大・笠原祥太郎(新津高)が、140キロ台後半のストレートとキレの良い変化球を武器に上位候補として評価が高い。
濱口は佐賀の無名校出身だが、2年春からエースとなると、いきなりリーグ優勝。そして、全日本大学野球選手権では慶應義塾大を破るなど、チームを準優勝に導く立役者となった。さらに今春は3試合21回無失点の好投で、チームを4強に導き、最優秀投手に選ばれた。
濱口と同じく無名校出身の笠原は、新潟県大会2回戦が最高成績で、新潟医療福祉大の硬式野球部創部と同時に一般入部した異色の左腕。
しかし、新潟明訓を8度の甲子園出場に導いた佐藤和也監督のもとでメキメキと力をつけると、今や最速は146キロにまで到達し、「ヒジが柔らかく使えており、伸びもある」とスカウト陣の評価も高い。
ヒジを柔らかく使ったフォームから伸びのあるストレートを放つ新潟医療福祉大・笠原祥太郎
近年の全国大会でコンスタントに好結果を残す上武大や好素材の多い白鴎大などが所属する関甲新学生リーグで結果を残して、大きなアピールをしていきたいところだ。
また硬式とは違うボールを使用する準硬式野球で最速149キロを誇る帝京大準硬式野球部・鶴田圭祐(藤井学園寒川)も、既に数球団が調査に動いており楽しみな存在だ。
こうして来秋ドラフト候補に挙がる投手たちをざっと挙げてみたが、最終学年でブレイクし、一気に1位指名を勝ち取った大阪商業大・岡田明丈(広島1位指名)や東洋大・原樹理(ヤクルト1位指名)のように、ひと冬を越えて変貌する投手も多いだけに、楽しみは尽きない。
「大学生投手は豊作」と呼ばれている状態が続くことを願って、来春を待ちたい。