前橋育英監督が選手に伝える“後輩”山本昌の継続力。「1日15分を変えると人生劇的に変わる」を体現
2022/06/25
産経新聞社
昔の選手がやってきたことを「今の情報に融合して」ヒントに
いすゞの松本も、山本昌とはまた別の意味で見習うことの多い、面白い選手だった。
いすゞが休部後、西濃運輸へ移籍し、キャッチャーとしてマスクをかぶり続けた。「ワンバウンドしたボールはどう止めるんだ?」と尋ねると、「バウンドした場所を見ればどこに来るかわかるんです」と答える、天才的な感性を持った選手だったが、それだけよく「見る」ことを大切にしていて、この1球だけは絶対逸らすわけにいかない、と思えばたとえバッターが振るバットに頭が当たろうと、身体を投げ打ってでも捕りに行く覚悟がある。そんな強さと熱さを持った選手だった。
何より彼のすごさを感じたのは、打たれても絶対にピッチャーのせいにしないことだった。現に都市対抗野球に出場して、一番大事な場面で決勝打を打たれた後、彼はピッチャー陣が集まっている場に行ってこう言ったそうだ。
「俺が悪かった」
昔はこうだった、といつまでも言い続けるのは好まないが、昔の選手がやってきたことから伝えられるものはある。自分の話を振り返れば失敗談しかないし、言えるような話はないが、今の情報に融合して何かヒントとなるならばいくらでも提供する。
ただし「今の若いモンは」と言い出したら負けだ。実にかっこ悪い(笑)。それだけは、何があっても言わないように心がけている。
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